つのだひでお(角田 秀穂)|衆議院議員|公明党
つのだひでお(角田 秀穂)|衆議院議員|公明党

■不採算、事業計画を大幅に見直しへ

船橋市はこのほど、様々な事情から進捗が遅れている飯山満土地区画整理事業の事業期間を3年間延長し、その間に設計内容や資金計画の見直しを行うことを明らかにしました。現在の事業期間は平成23年3月までとなっており、進捗状況から延長は避けられないことは明らかでしたが、今回の延長は、いまのままでは事業収支が成り立たないことから、計画の見直し作業を行うための暫定的なもので、事業完了までにはさらに長い年月を要することになります。

 

飯山満土地区画整理の事業費は109億円。このうちの約半分を地権者の土地を減らす(減歩)ことによって生み出される宅地(保留地)の売却によって賄うことにしていますが、バブル期に計画されたこの事業は、坪約200万円で宅地が売れるという前提に立っています。今の地価はバブル期の3分の1以下に下落していますから、資金計画に大きな穴があくのは必至で、その穴埋めは最終的に市民の負担となって跳ね返ってきます。

今回の期間延長は、あくまでもその間に少しでも赤字を圧縮するために計画を再構築しようとする暫定的なものです。

具体的にどのような見直しを行うのかということについて、今年3月の予算特別委員会での私の質問に対して、市は「関係権利者の合意を前提に、設計の見直しが必要。例えば造成の高さを抑えて工事費用を削減するとか、補償費は速やかな使用収益開始によって負担を減らすなどの支出の削減に努めていきたい」と答えています。場合によっては施行区域の縮小も視野に入ってくるかもしれません。

区画整理は関係権利者の合意のもとに実施される事業であり、計画変更にあたっても合意形成に時間を要することはやむを得ないとも思いますが、異常ともいえるほど長期にわたっているこの事業に対して、市はもっと本腰を入れて、全庁的な課題として体制強化を含め、事業の進捗に取組むべきです。

公明党では、これまでも子どもたちの教育環境充実のためにエアコン設置を予算編成の重点項目として求めてきました。記録的な猛暑に見舞われた今夏、熱中症で児童・生徒が病院に搬送されるケースも多数発生たことを踏まえ、現在は職員室や音楽室など一部の特別教室のみに設置されているエアコンを普通教室にも早急に設置することを9月議会で強く訴えました。

藤代市長は「教育環境の充実、子どもたちの安全や健康を守るため、エアコンを設置するため具体的検討を担当部署に指示した」と実施する考えを表明しました。

現在、エアコンが設置されているのは職員室のほか、音楽室、パソコンルームなどごく一部の特別教室に限られています。市内小中学校や特別支援学校の普通教室は約1,500教室。早期の設置に取組んで行きます。(写真はエアコンが設置されているパソコンルーム)

■ヒブ、小児用肺炎球菌ワクチンも。子育て世帯の負担軽減

予防効果が高いにも関わらず、経済的な負担が大きい子宮頸がんワクチンや小児が対象のヒブワクチンへの市独自の支援について、9月議会で藤代孝七・船橋市長は公明党の質問に対して「家庭の大きな負担になっている。財源の問題もあるが、ヒブワクチン、肺炎球菌ワクチンも含めて助成について具体的に検討を進める」と公費助成を実施する考えを表明しました。

子宮頸がんは、年間約3500人が死亡している女性特有のがんですが、定期検診とワクチンの予防接種を行えば、ほぼ100%予防できるといわれています。公明党の主張で昨年10月に異例の早さでワクチンが承認されましたが、4〜5万円という接種費用がネックになっていました。また、乳幼児の髄膜炎など重い病気を引き起こすヒブや肺炎球菌の予防効果が高いワクチンも現在は全額自己負担のため、やはり数万円の負担に接種を躊躇してしまうという声が寄せられていました。

船橋市は経済的負担軽減のため公費助成に踏み出すことになりましたが、そもそも、こうした命を守るための施策は国が最優先に取組まなければいけない課題です。

新高根5丁目公園が開設されて以降、近隣の子どもたちを始め、多くの住民に利用されていますが、それに伴って安心して利用できるよう、前面道路に信号機の設置を要望する声が上がっています。車両の通行も非常に多く、さらに、この箇所は高根台第一小学校が高根台第三小学校に統合されて以降は、第三小に通う児童の通学の経路ともなっており、特に交通量の多い朝夕に児童が横断する箇所でもあります。

ちなみに、公園前の横断報道の前後には芝山の旧セイフー(現グルメシティ)から旧高根台第一小学校前のT字路目での間、1キロ以上にわたって信号機はありません。

この新高根5丁目公園前の横断歩道に子どもたちが安全に横断できるよう信号機の設置を求めました。

答弁:新高根5丁目公園前の交差点の押しボタン式信号機設置については、周辺住民の署名を添付された要望書が、所轄の船橋警察署を通じ千葉県警察本部交通規制課へ提出されている。設置については交通量調査も含め、周辺の道路環境を確認し、その結果を踏まえ、検討をしている。市としても信号機設置が決まり次第、歩行者溜りの確保等について対応してゆきたい。

船橋は下水道の整備が大きく立ち後れていました。現在、遅れを取り戻すべく急ピッチで整備が進められています。これに伴って、家庭の排水を下水道管に流すための接続工事(排水設備工事)も年間5,000〜6,000件と非常に多くなっています。

このため、市内に参入してくる業者(下水道指定工事店)も数多く、少しでも早く契約を取ろうとする営業合戦が過熱しています。なかには、下水道ができるはるか以前から訪問し、「いまなら大幅値引きで安くしておきます」など言葉巧みに実際にはとても高い値段で工事契約書にハンコをつかせる業者も現れています。

いったん契約を交わしてしまうと後から、こちら解約しようとしても、契約書に違約金を払うという条項が入っているため、工事費の何割かを払わされるはめになるなど契約を巡るトラブルに発展する事例も増えています。

下水道整備に伴って市民がトラブルに巻き込まれることがないよう、行政としても毅然とした態度で臨むべきと訴えました。

つのだ:今年に入って市が下水道指定工事店に送った文書のなかで、説明会前の営業活動について、これまで下水道事業説明会開催前の営業活動を自粛するよう要請してきたが、未だトラブルが後を絶たないとして、「市はこれを防止するため『整備工事着手前に整備区域の住民を対象に市が行う事前説明会の開催前における、これら住民に対する個別の営業を禁止する』旨を、条例・規則で定める指定工事店の遵守事項に加えることを検討している」として早期営業活動の自粛を改めて求めたうえで、規則改正後は改めて通知すると予告していた。

当初、9月改正実施の予定と聞いていたが、規則改正がその後どうなったのか。

答弁:「下水道事業説明会前の営業及び契約の禁止」の条例・規則化について検討してきたが、このような規定は、憲法22条1項に保障されている、「職業選択の自由」に抵触する恐れがあることから現在、成案は得られていない。

つのだ: 排水設備工事は、下水道事業の目的を達成するために、なくてはならない工事であり、だからこそ条例で住民に接続工事の実施を義務づけている。いいかえれば下水道指定工事店との工事請負契約の締結を義務づけている。

民民の契約と言っても、家のリフォーム工事などとは全く性格が異なる。市民に対して工事請負契約を結び、工事を実施することを義務づけている下水道事業者として、また、下水道指定工事店の指定権者として、排水設備工事の契約を巡って無用なトラブルが引き起こされないよう、また、市民が不利益を被ることがないよう、一定の規制を設けることは当然の責務と考える。

条例・規則で規制できないのなら、どうするのか。

答弁:工事説明会に出席できなかった方々の周知徹底、指定工事店に対する個別指導や指定工事店で構成する「船橋市上下水道管工事協同組合」への徹底方の依頼を強化するなど、トラブル解消に努めるほか、整備計画をお知らせする際に、対象地区の町会・自治会の協力を頂いてお年寄りの世帯を中心に個別に訪問して注意を促すなど対策について検討する。

障害者の就労・生活支援について、経済部の積極的な取り組みを求めたのに続き、地域での自立した生活の拠点となるグループホームの整備、障害者の権利擁護のため「成年後見支援センター」の早期開設を求めました。行政側もセンターは必要であり、検討する旨の答弁を行いました。

つのだ:障害者の権利擁護、地域での自立した生活支援と密接に関わる事柄として、成年後見の問題がある。

成年後見制度が認知されるに伴って、近年、この制度の利用が増えており、市長申し立てによる成年後見人の選任事例も確実に増えている。これに伴って制度利用の需要に対して、後見人の供給が追いついていないという問題が顕在化してきている。

特に船橋ほどの大規模な都市では、将来を見据えて成年後見を受託するセンター、さらには成年後見人を支援するセンターというものが是非とも必要だ。早急に作っていただきたいと強く要望する。

答弁:一般市民が成年後見人になる市民後見人を養成してなり手を増やすことが必要で、そのためには、市民後見人の育成、業務遂行をサポートする必要がある。成年後見人は裁判所が任命するが、市民後見人が後見業務を受任する場合、後見監督人をつけることを求められるたま、後見監督人となれる機関も必要になる。これらのことから、市民後見人の育成・サポート、後見監督人の受任及び困難事例に対応する法人後見の受任を行う「成年後見センター」の設置が必要と考える。

現在、本市において、どのような形態の「成年後見支援センター」が必要であるかを、船橋市地域自立支援協議会の権利擁護部会で議論を行い、近く協議会に報告する予定となっている。市としては、協議会からの提言を受け「成年後見支援センター」について検討したい。

9月議会(会期:2日〜28日)では、15日(水)に一般質問に登壇しました。今回は①障害者の就労と生活支援について②下水道の宅内排水設備工事について③新高根五丁目公園前の信号機設置について質問しました。順次、概要をご報告します。

①障害者の就労と生活支援

障害の有る無しに関わらず、どのような人にとっても共通することですが、誕生から乳幼児期、学齢期を経て社会に巣立ってからが人生の本番です。市の障害者施策の計画でも 「障害のある人が住み慣れた地域で、その能力を最大限に発揮し、働けるよう、その特性を踏まえた条件の整備を図ることが重要」としていますが、実際にやっていることは、まだまだ不十分だとの思いから、さらなる充実に向けて真剣に考えるべきと訴えまた。

つのだ:全国的に見ても特別支援学級、特別支援学校に在籍する児童数が急増しています。特に在籍児童・生徒の9割を占める知的障害と自閉症・情緒が急増している。本市においても事情は同じで、この10年間で在籍児童数は1.6倍、特別支援学校についても全く同じであり、こ の10年で小学部、中等部、高等部合わせて約2倍に増加をしている。子供たちの卒業後の就労先、地域での居場所の確保ということは現実に大きな課題になってきている。

いま、知的障害者の職場開拓はもっぱら現場のスタッフの並々ならぬ努力に よって行われているのが実情だ。新聞折り込みの求人広告等を頼りに、何とか実習だけでも受け入れてもらえないかと何十社も訪問してお願いに回るなかで、数少ない実習受け入れ先を見つ けてくる。そして実習をするなかで、この人なら雇ってもよいかということで、就労に結びついているケースが大半だ。それに対して経済部が雇用促進のために実施している雇用促進奨励金交付事業の対象は、「公共職業安定所による紹介 」と規定されており、ハローワーク経由の採用でなければ対象にならない。

障害者の雇用を促進するための事業であるならば、雇用促進奨励金事業のあり方も、実態に合わせて見直すべきではないか。奨励金制度見直しに止まらず、一握りのスタッフのみに過度の負担がかかっている職場開拓についても、経済部として協力できることはあるはずだ。

一般就労に限らず、いわゆる福祉的就労にしても市内の地域活動支援センター等は満杯に近い状態で、受け皿を市外に求まなければな らない状況に立ち至っている。こうした実態を踏まえてより踏み込んだ施策が打てないものか。

例えば、職場開拓のために特別支援学校や就業・生活支援センター、さらには地域活動支援センター等と連係をとって市内経済団体との橋渡しの役割を担う。雇用の経験のない事業主に対して、国、県、市 の支援制度の説明をはじめ、様々な情報提供を行ったり、職場開拓に汗を流すスタッフのために、市内事業者にたいするPRの場を設ける。実習受け入れや雇用 に至らないまでも、地域活動支援センター、作業所等、福祉的就労の場の製品販売の場確保や業務委託のあっせんなどなど、考えられることはいくらでもあるは ずだ。時代に合わせて、実態に合わせて、まずモデル事業として実施してもよいと思う。ぜひ考えて頂きたいが、いかがか。

答弁:ハローワークを通さないで障害者を雇用した事業主への助成については、障害者の雇用状況の把握に努めるとともに、他市の状況もみて検討したい。

職場開拓において過度な負担がかかっている就職担当者への支援について、障害者の就労機会の創出が図られるよう商工会議所、商工業団体へ、障害者を雇用した事業主への補助制度や障害者就労に係る様々な情報を提供してゆきたい。また、企業が障害者雇用について、どのような考えを持っているのか、商工会議所や商工業団体から意見を伺い、障害者の就労につながる、あるいは就職担当者の負担軽減が図られる方策について、検討したい。