★市民に被害解消の道筋を具体的に示すことができる計画づくりを★
近年のゲリラ豪雨の多発により、多くの市民が浸水の不安を抱えながら暮らしています。こうした豪雨の多発に対して船橋市は今年度、5年に1回程度の確率で発生する大雨(時間降雨量56ミリ)に対応できるようにするための雨水整備計画を策定しました。
計画では、市内139排水区のうち対策が必要な34排水区を「整備区域」とし、さらにその中でも緊急に対策が必要な7排水区を「優先整備地区」と位置づけ概ね10年かけて対策を行うとしています。
浸水被害解消への道筋が示されているのはとりあえず「優先整備地区」だけで、面積にして市域の約1割に過ぎません。計画図の点は平成5年から21年までに浸水被害が発生した箇所を示していますが、「整備地区」内だけで約1,000箇所の浸水被害解消の道筋はこの計画からは見えてきません。
9月議会では、船橋市の雨水整備計画について、市民の不安解消のためにも、具体的な計画を示せるようにするとともに、スピード感を持って対策を進めるよう訴えました。
つのだ:雨水整備計画で明らかになっているのは、優先整備地区の対策に要する事業費が50億円で、期間は10年ということだけだ。それ以外の整備区域とされてる34排水区の対策を講じるのにどれだけの費用がかかるのか。また、期間についてはどうか。緊急的な対策としての道路ます蓋の取り替えや側溝•横断側溝の設置には道路部とも計画を共有しておく必要もあるが、具体的に来年度の計画はどうなっているのか。
答弁:優先整備地区と同様な手法で整備した場合、34排水区では約280億円と見込まれ、相当な期間が必要になる。道路部と連携して実施する緊急対策については、浸水箇所の現地状況等から、集水ますの設置などの対策を引き続き協議して施工してゆく。
つのだ:極めて多くの市民が不安を抱いている豪雨への対策、安心できるまちづくりの道筋が見えない。対策が必要な箇所のうち、優先的に整備しなければならないのはどこかという順位付け、スポット的な緊急対策で効果がありそうなのはどこか、1カ所の対策で2カ所以上の被害地点を解消できるところなど、効果も検討したうえで、大まかでもよいから対策実施の順位付けを行わなければ、必要な予算も確保できないのではないか。
対策には道路部との連携も不可欠であり、必要な予算は道路部にも確保してもらわなければならないわけだが、そのためにも詳細な検討が求められるのではないか。
ぜひとも対策の道筋を可能な限り市民に示してもらいたい。雨水対策は市政の緊急課題であり、しっかり予算を確保してスピード感を持って対策を進めてもらいたい。
つのだ ひでお(角田 秀穂)
略歴
1961年3月 東京都葛飾区生まれ。
創価大学法学部卒業。
上下水道の専門紙・水道産業新聞社編集部次長を経て、1999年から船橋市議会議員を4期、2014年から2017年まで衆議院議員を1期務める。2021年10月2期目当選。
社会保険労務士。