つのだひでお(角田 秀穂)|衆議院議員|公明党
つのだひでお(角田 秀穂)|衆議院議員|公明党

9月議会が9月27日までの会期で開かれています。
私は18日に質問に立ち、1)インターネットを通じての24時間手続き等を可能にする電子自治体への取り組み2)市役所での知的障害者雇用3)中高一貫教育ーの三項目について質問を行ないました。

(1)電子自治体について
◆つのだ 本市も参加している千葉県電子自治体共同運営協議会による電子申請・届出システムが稼働し、船橋市は昨年10月から21の手続きがインターネットから申請・届出ができるようになったが、利用件数は少ない。総務省のアンケート調査によれば潜在的な利用者が利用したいとしている手続きのうち最も多いのが「粗大ゴミ収集申込み」で、次いで「図書館図書の貸出し予約」「研修・講習・各種イベントの申込み」となっている。市民にとってよりベンンリなシステムとするため、利用意向の高い手続きについて早急にメニューに加えてゆくべきではないか。
◆答弁 本市では、現在21手続きが利用可能だが、手続きメニューの拡大の方向で当初より検討している。指摘の利用意向の高い手続きのうちインターネットによる「図書館と書の予約」については、すでに平成16年から稼働しているが、その他については今後検討してゆく。いずれにしても、手続きメニューの拡大は必要と考えているので、市民への周知方法と併せて検討したい。

(2)知的障害者の雇用について
◆つのだ 障害者雇用促進法に規定されている法定雇用率は平成10年から算定基礎に知的障害者が加えられたことに伴い、民間は1.6%から1.8%へ、地方公共団体は1.9あるいは2.0%から2.1%へと引き上げられ今日に至っているが、引き上げ分が必ずしも知的障害者の雇用を義務づけるものでないことから、身体障害者に比べて知的障害者の雇用は遅々として進まない状況にある。本市の場合も法定雇用率2.1%は達成しているものの、知的障害者の雇用実績はない。就労促進を図る必要があると思うが、本市の取り組みはどうなっているのか。
◆答弁 知的障害者の就労促進を図ることの必要性は認識しているが、実際に知的障害者を雇用している自治体は全国でも非常に少ないと思う。本市において雇用した実績がないことから、今後、千葉県のプロジェクトをはじめ、先進自治体や先進企業の例を参考に研究したい。

(3)中高一貫教育について
◆つのだ 中等教育の多様化を図るため平成11年に制度化された中高一貫教育校は年々増加しており、平成19年度には全国で257校に上っている。本市では船橋市立学校等将来計画検討協議会答申において、「中高一貫教育はゆとりある安定的な学校生活をおくるうえで、6年間の計画的・継続的な教育指導が展開でき効果的な一貫した教育が可能である。この間、生徒の個性を伸張させ、社会性や豊かな人間性をより一層育むことができる。実施形態は、併設型や連携型による中・高との接続があるものの、市立船橋高校の特色をより進展させる観点などから、中等教育学校の導入を将来的ビジョンとして積極的に推進することが必要」と提言されている。議会でもこれまで議論されてきたが一向に進展する気配がない。改めて中高一貫教育についてどのように考えているのか。
◆答弁 「新たな市立高校を考えるワーキング部会」において、平成17年度18年度議論を進めてきたなかで中高一貫教育は、特色ある唯一の市立高校に導入生するには、「市立高校を目指す、生徒・保護者のニーズ」「市立高校の伝統と実績」「必要となる校地や設備・施設の確保」等への十分な検討を要すると捉えた。また、実施形態について、市立高校の特色を活かす観点から、特定校や特定地域に片寄ることなく、前市立中学校を対象に、授業、部活動、学校行事等の交流を中心に緩やかに連携を行なう連携型形態や、同一敷地内に付属中学校を設置し、高校からの募集も可能とする併設型が有効ではないかとの意見があった。いずれにせよ、市立高校の将来像を具現するには、中高一貫教育の視点のみならず、校地・校舎の規模、設置する学科、学区の範囲、入試形態、人材確保の方法、予算規模等総合的な検証も必要となる。今後、本市の財政状況、中高一貫教育に関する市民の意識並びに先進校の動向も踏まえ研究を重ねてゆきたい。

保証人がいないために、アパート等へ入居できないという高齢者世帯やひとり親世帯、障害者世帯に対して、市内不動産店と協力して情報提供、入居保証を行なうとともに、低所得者に対しては保証料の一部を助成して入居を支援する「船橋市民間賃貸住宅入居支援事業」が9月18日からスタートすることになりました。支払い能力があるにも係らず住宅を確保できない高齢者などのために市独自の支援策が是非とも必要だ、との思いで平成17年6月議会で提案していたものです。

身寄りのない高齢者など、「保証人になってくれる人がいない」という方がアパート等に入居できるよう支援する制度としては、これまでにも「高齢者の居住の安定確保に関する法律」にもとづく「家賃債務保証制度」などがありましたが、実際にこの制度に登録している船橋市内の物件を調べてみると家賃が月13万8000円、13万6000円、12万円などといった比較的高額な物件ばかりで、「これで本当に住宅に困っている世帯のニーズに応えられるのか?」制度の有効性に疑問符が2つも3つもつくような代物でした。

今回、船橋市と市内の協力不動産店、市と協定を結んだ民間保証会社(3社)の連携によって実施される「民間賃貸住宅入居支援事業」の内容は、(1)民間賃貸住宅の情報提供(2)入居保証(家賃等債務保証)(3)低所得者への保証料の助成ー。このうち(2)の入居保証は、保証人がいない世帯のために市と協定を結んだ民間保証会社と契約を結ぶことによって、保証人に代わって保証会社が家賃滞納等の金銭的保証を行なうもので、契約時に支払う保証料は家賃等の50%。例えば家賃・共益費で月6万円のアパートに入居しようとする場合、3万円の保証料を支払えば保証人がいなくても入居できるようになります。(3)の低所得者への保証料助成は、世帯の合計所得が月額26万8千円以下(公営住宅の収入基準に準じた額)の世帯に対して保証料の2分の1(上限額1万5千円)を助成するもの。上記の例でいえば、家賃・共益費6万円のアパートに入居する場合の保証料3万円のうち1万5千円が
市から助成されることになります。

高齢者や障害者が住宅を探すときに味わう困難は、保証人が見つからないという事情以外にも、様々な要因が絡み合っています。神奈川県が不動産業者に実施したアンケートによれば、ひとり暮らしの高齢者に住宅を仲介するときの障害として、「病気、事故等が心配」という回答が最も多く88.1%、次いで「保証人がいない」という回答が50.0%、「家賃の不払いが心配」35.8%。また、ひとり暮らしの障害者に住宅を仲介するときの障害としては「病気・事故が心配」というのがやはりトップで69.1%、「住宅の安全面が心配」、これが47.5%、「希望物件がない」38.8%を占めております。以下、「住宅改造・使い方の問題」、「保証人がいない」、「家賃の不払いが心配」と続きます。ひとり親世帯に住宅を仲介するときの障害としては、「家賃の不払いが心配」が最も多く、52.2%、次に「保証人がいない」が31.1%ーという回答が得られています。滞納した際の保証人がいないという心配がクリアされても病気や事故などに対するオーナーの不安が入居の大きな妨げとなっている実態が浮き彫りとなっています。

こうした実態も踏まえ、高齢者・障害者・ひとり親世帯の住宅確保が船橋市においてさらに円滑に進むよう、福祉部局との連携強化など今後も議会において訴えてゆきたいと考えています。
(参考=この問題を議会で取り上げた議事録)(05年)6月議会

新年度予算に反映された主張〜家族介護用品支給事業の要件緩和〜

船橋市では昨年度まで住民税(市県民税)本人非課税の方(要介護度4・5)に対して介護用品(おむつ)支給事業を実施していました。対象者には月額6,250円を限度に介護用品を支給するもので、17年度の利用実績は625人。これは船橋の実施している高齢者在宅福祉サービスのなかでも緊急通報装置貸与事業に次いで利用者が多い事業、即ち必要性の高い事業です。

上のグラフは税制改正に伴って年金生活の高齢者世帯の可処分所得が平成18年度から20年度までどのように推移するかを試算したもの。横軸の数字は年金収入額(円)、縦軸の数字は年金収入額から税金と社会保険料を払った後に手元に残る可処分所得額(円)を示しています。試算の前提としたケースは(1)今年1月1日時点で66歳以上で配偶者(70歳未満、収入なし)と2人暮らし、収入は年金のみ、住まいは賃貸住宅(2)税金は住民税と所得税、社会保険料は国民健康保険料と介護保険料。上のグラフでは一番右の収入(267万円)の世帯のみが市県民税課税で、それより左はすべて17年度は非課税です。したがって介護用品(おむつ)支給事業の対象でした。

税制改正により、17年度までは本人非課税で介護用品の支給を受けられていた方が、課税になってしまうことによってこのサービスを受けられなくなってしまうことがないよう船橋では支給の要件を見直し、平成18年度は住民税の課税要件を12,000円以下の方まで対象とする。19年度は25,000円以下、20年度は37,000円以下と段階的に緩和することとしました。しかし、この要件が本当に妥当なのかどうかを丹念に検討した結果、上のグラフに矢印で示しましたが、船橋の設定した要件では昨年度までは対象となった方が18年度、19年度には対象とならないというケースが生じることが分かりました。しかもグラフを見ていただければ分かる通り、収入は多いにもかかわらず、可処分所得はより収入の低い世帯よりも少ない、すなわち可処分所得が逆転している層が福祉サービスも受けられなくなってしまいます。

船橋の設定した税額要件では不公平が生じることを昨年9月議会で指摘、要件の大幅な緩和を主張しました。

この結果、平成19年度からは要件を見直し、当初の住民税額25,000円以下から65,000円以下へと対象要件が大幅に緩和されました。また、同様の理由から要件の見直しを主張していた高齢者住宅整備資金助成事業(在宅高齢者のため、手すりの設置や段差解消スロープの設置などの住宅改造資金を助成する事業)についても、対象となる要件が住民税額20万円以下から32万円以下へと緩和されより多くの方が利用できるようになりました。

昨日(7日)の本会議で質問に立ちました。
今議会では(1)発達障害児等への(福祉と教育の分野での)支援について(2)障害児(者)福祉について(3)救急と関係機関との連携について、質問しました。(1)の発達障害時等への支援ではADHDや学習障害(LD)などを含め、発達に何らかの障害のある子どもへの早期からの支援体制を充実させるべきとの観点から、子ども発達相談センターでの「感覚統合療法」の実施を求めたほか、教育については軽度発達障害児に対する通級指導教室の整備促進や在籍する学級への「特別支援教育支援員」の配置など支援体制の充実を主張しました。

(1)発達障害児等への支援について
○子ども発達相談センターでの「感覚統合療法」実施について
質問:自閉症、学習障害(LD)、注意欠陥多動性障害(AD/HD)など長く福祉制度の谷間に置かれていた発達障害者への早期支援などを目的とした発達障害者支援法が平成17年度に施行され、全国的に乳幼児期から学校まで一貫した支援体制構築への取り組みが行なわれようとしているが、専門家など人的資源の不足や関係機関の連携体制などまだまだ十分といえない状況にある。
発達障害者支援法に定義された発達障害児も含めて発達に何らかのつまずきがある子どもへの支援を本市においてもさらに進める必要があるとの思いから何点か質問したい。
発達につまずきのある子どもに対する治療アプローチのひとつに感覚統合療法がある。もともとは半世紀ほど前にアメリカにおいて問題となり始めていた学習障害児へのリハビリテーションを目的に開発された技法で、日本においては1976年に初めて行なわれ、その後の実践の積み重ねのなかで子どもだけでなく「認知症」「統合失調症」の治療への応用も試みられるようになっている。
感覚統合療法は「注意が持続しない」「感情をコントロールできない」「常に動き回る」「読み書き算数ができない」「縄跳びなどの運動ができない」など、行動や認知、情緒、運動企画などの障害の原因として、触覚、視覚、聴覚などの感覚を脳の中で処理する過程に何らかの障害があることが強く疑われる場合に、その子どもの症状に応じて様々な器具を用いたりしながら適度な感覚刺激を与えることによって脳の働きを促し、感覚処理の障害を緩和して適切な行動に導いてゆこうとするリハビリ手法で、感覚統合の発達に問題がある場合にはいくつかの症状・状態の改善が認められるケースがある一方で、当然のことながら限界もあるが、近年発達につまずきのある子どもの実態が徐々に明らかになるにつれ、こうした子どもを育てる市内の保護者からも感覚統合療法の実施を求める声が高まっている。
感覚統合療法を実施するに当たっては、第1に感覚統合療法実施の適否を正しく判断できる熟練した専門の作業療法士と、それから様々な感覚刺激を提供するための各種の器具を備えた広い部屋が必要となるが、そのような設備の整った施設はほとんどない。ただ、こども発達相談センターには必要な設備がほぼ完璧に整っている。もともとこの施設は少なくとも設計段階においては感覚統合療法の実施を視野に入れていたのではないかと思うが、いかがか。
こども発達相談センターは現状、民間団体への施設の貸出しは認めていないため、感覚統合療法を実施するとすれば行政が主体となって行なうしかないが、開設から2年近くの間、有効性の検討もなされないまま、結果として設備も使われないまま今日に至っている。
感覚統合療法を実施しようとした場合、人材さえ確保できればやろうと思えば明日からでもできる、これほどまでに環境の整った施設は周辺を見回してもない。発達につまずきのある子どもへの支援を充実させるうえからも、有効性の検討を含め積極的な取り組みを求める。
答弁:担当者について現状と比べてかなりのスキルアップが必要である等、解決すべき問題があるが、今後、発達障害児に対する支援の一環としての療育のあり方について、自閉症、ADHD等の様々な発達障害に応じてどのような療育が有効か、感覚統合療法も含めて検討して参りたい。

○教育現場での支援の充実について
質問:昨年6月に学校教育法が改正され、小中学校等に在籍する教育上特別の支援を必要とする障害のある児童生徒に対して、障害による困難を克服するための教育、特別支援教育を行なうことが法律上明確に位置づけられ、この4月から施行されることになった。
特別支援教育への本市の対応については前回議会でも質問させていただいた。4月から何が変るのかという点については市立船橋養護学校が特別支援学校に名称を変更するとともに、知的障害だけではなく、肢体不自由など複数の障害にも対応できるかどうか検討する。特殊学級については特別支援学級となるが、名称以外に大きな変更点はなく、今後の対応については、国・県の動向を見ながら検討してゆくとのことで、4月以降もLDやAD/HDなどの児童生徒に対する指導・支援は在籍する通常の学級を基本としつつ、通級による指導を組み合わせながら行なわれることになるかと思う。
そこでまず、通級指導の現状について伺いたい。本市においてはLD、ADHD、高機能自閉症など通常の学級に在籍する児童に対する支援を行なうための通級指導教室を平成15年度から毎年のように開設し、個々のニーズに応じた適切な支援の提供を図ろうとしているが、通級による指導が適当とされる児童生徒は毎年増加の一途をたどっており、教室が一杯のため現在、待機せざるを得ない児童生徒も増えている。軽度発達障害の児童に対する支援を行なうための通級指導教室の整備が果たして充分ニーズに追いついているのかどうか、待機の状況も含めて現状について伺いたい。
また、在籍する学級においての指導・支援についてはどうか、通級指導との連携を図りながら行なわれていると思うが、具体的にどのような指導・支援を行なっているか。
改正学校教育法の施行に合わせ、国においても子ども一人ひとりのニーズに応じた教育を行なう観点から、当該児童・生徒に対して日常活動の介助と学習活動上のサポートを行なう「特別支援教育支援員」の計画的な配置を来年度から本格的に行うため、平成19年度は250億円程度の地方財政措置を講じ、平成20年度までの2カ年で概ね全ての小中学校に配置することを目指している。過去の議会においても主張してきたことだが、特別支援教育において、特に重要なのは個々のニーズに対応して適切な支援を行なうための人的体制の整備だ。本市においても教育現場への特別支援教育支援員の配置など人的体制の充実を積極的に図るべきと考えるがどうか。
答弁:通級指導教員、コーディネーター一人あたりの指導時間に限りがあり、今年度は通級指導を希望する児童生徒が待機せざるを得ない状況になっている。このような状況を解消するため平成19年度は通級指導教員の増員を県に要望している。通常の学級に在籍する軽度発達障害の児童生徒に対する指導・支援を実施する上での課題としは、通級指導教員の資質の向上と在籍校への支援があげられが、事例研究会等を通して通級指導教員の指導法の改善に努めるとともに、通級指導教員が学校を訪問して具体的支援を行なうなど課題解決に取り組んでいる。通常の学級に在籍する軽度発達障害の児童生徒のために、特別支援教育支援員を配置することについては今後研究してゆきたい。

2月26日から開かれている3月議会に提案された来年度(平成19年度)予算案において、私自身これまで取り組んできたことがいくつかカタチになりました。主なものを記すと・・・

1)高齢者を対象とした家族介護用品(おむつ)支給事業の要件緩和
2)保証人がいないため民間住宅に入居できない高齢者や障害者等に対して家賃保証などの支援を行う「民間賃貸住宅入居支援事業」の創設
3)障害児通園施設利用者に対する負担軽減(障害児通園施設を利用する児童の兄弟が、障害児通園施設、保育園又は幼稚園に通園した場合に利用者負担額の半額又は全額を助成)=まだ不十分だと思っています。
4)特別支援学級の開設(行田西小学校)
5)動物愛護センターの開設

内容の詳細については今後順次報告させて頂きます。

12月市議会は11月27日に開会しました。今日(4日)は私の一般質問の日でした。
今回は(1)来年4月からスタートする特別支援教育への本市の取り組みについて(2)障害者自立支援法の実施に伴う障害(児)者へのサービスについて(3)市民に親しまれる市役所づくりの一方策として「市役所コンシェルジュ」の配置ーについて質問と提案を行ないました。以下にその概要を報告します。

(1)特別支援教育への取り組みについて
◆つのだ 来年4月からスタートする特別支援教育について、これまでの盲・聾・養護学校が特別支援学校へと名称が変り、複数障害への対応や地域の小中学校への支援のセンター的役割りを担うようになるほか、特殊学級も特別支援教室となり、その性格も変るといわれているが、具体的にどのように変るのかがいまだ明確ではないため、不安を抱いている保護者も多い。そこで本市においては具体的にどのように変るのか伺いたい。また、特別支援教育においては障害のある児童生徒との交流等も課題とされているが本市の取り組みを伺う。
◆答弁 市立船橋養護学校については、特別支援学校に名称変更とともに、知的障害だけでなく肢体不自由など複数の障害にも対応できるか検討している。また、特殊学級は特別支援学級となるが、現在のところ名称変更以外に大きな変更点はない。障害のある児童生徒との交流、共同学習については特殊学級設置校においては授業や行事の参加を通じて日常的に交流に取り組んでいるが、今後は共同学習も視野に入れて取り組みたい。
◆つのだ 普通学級に在籍するLD、ADHD 、高機能自閉症などのある児童生徒への適切な支援を行なうため、本市においては平成15年度に船橋小学校に情緒通級指導教室を開設したのを皮切りに、三咲小学校、行田西小学校、船橋小学校へと通級指導教室を拡大していることは評価するものだが、通級指導の希望者の増加もあって、十分な指導時間を確保できないのが現状のようである。先日も通級指導教室の現場を視察させていただいたが、通級教室での指導時間は一週間に一度1時間15分しか確保できない現状のなかでは支援計画の目標達成には在籍学校や保護者の理解と協力が不可欠であることを痛感した。特に懸念されるのは、障害を持つ児童生徒が在籍する学級、学校において、障害に対する理解と対応が不十分なために、児童生徒がいじめの対象となり、不適応を起こし、登校拒否に陥るケースが多いということ。障害を持つ児童生徒への適切な支援を行なうため、全ての教職員に対する研修については福祉・医療との連携も図りながらしっかり行なっていただきたい。また、特別支援教育の理念実現のためには、通常学級への介助員配置はどうしても避けて通れないことだと思う。教育委員会としても前向きな検討を求める。

(2)障害(児)者への支援について
◆つのだ 障害者自立支援法の新たなメニューである日中支援について、サービスを利用したくても事業所が一杯で利用できないという声を聞くが、実態をどのように把握しているのか。また、地域での受け皿づくりを進めるためには市が実施している「心身障害者一時介護料助成」制度の年間上限枠緩和など拡充も必要ではないか。障害(児)者への支援としてもう一点は、現在、認知症高齢者を対象に実施しているGPSを活用した位置情報サービスを知的障害者を介護する家族などでも希望すれば利用できるようにすべきではないか。
◆答弁 市内の日中一時支援事業者に問い合わせたところ、週末利用の際に希望者が集中して断ったことがあるところが3事業所あった。日中一時支援事業所は支援費のときより拡大が図られているが、その情報が利用者に十分伝わっていない面もあり、周知を図ってゆきたい。「一時介護料助成」についても日中一時支援事業の利用の推移とあわせて、いましばらく推移を見守りたい。GPSを活用した位置情報サービスにつては知的障害者等の方の必要性も理解できるので、保護者の意見を伺いながら研究してゆきたい。

(3)市役所コンシェルジュの配置について

◆つのだ 市役所を訪れる市民へのサービス向上策、特に高齢者や障害者など付き添いが必要な場合の対応を充実させるため、ホテルのコンシェルジュのように付き添いを基本に必要な手続きがスムーズに行なわれるよう手助けするサービスを考えるべきではないか。この際、経験豊富な再任用職員と全庁的な接遇意識向上の観点から特に若手職員とチームを組んで応対することを提案する。
◆答弁 コンシェルジュ業務への再任用職員及び若手職員の配置については、行政知識の習得や接遇意識の向上に効果があると考えられるので、再任用制度や研修制度全体の見直しにあわせて研究してゆきたい。

一つ屋根の齎すもの〜富山型デイサービスの現場で〜

「このゆびとーまれ」を訪問して、何とも自然な雰囲気であるとの印象は以前の記事でも触れた。そうした自然な空間を維持するためには人手がかかることも書いた。多くの人が運営に係るなかで、運営に携わる側の人々にも様々なドラマも生まれている。伺った際、西村副代表は「私たちの方が教わることが多い」としみじみとした口調でその一コマを語ってくれた。

『このゆびー』で働くスタッフは28人。そのほかに有償ボランティアが6人。有償ボランティアは全て養護学校の卒業生で、年間30〜40万円程度の報酬を支払っている。そのほかはみな「お昼だけ食べていってください」という以外は一切無償のボランティアだ。
無償ボランティアは主婦も多い。そのなかに家庭のなかがうまくいかず、心の病を患った人もいた。家にることが堪えられないという事情もあり、『このゆびー』のボランティアに応募した。週1回のボランティアだったが、利用者やスタッフとのふれあうなかで本人自身が癒され、いつの間にか病気も完治した。「私は死ぬことも考えていました。お陰で命拾いしました」。後に本人が漏らした言葉に西村さんは初めてハッとしたという。
ホームページ等でボランティアに常に門戸を開いている『このゆびー』。最近はニートの応募も目立つという。「最初はお母さんときます」。人との関わりになれていないため、最初は外で車洗いの仕事などをしてもらうというが、だんだん慣れて楽しみに通ってくる人も多いという。
”子どもから高齢者まで、障害のあるなしに関係なく一つ屋根の下で暮らせる”そんなある意味当たり前のケアサービスを提供したとの思いではじめた事業も、はじめのうちは「あそこは法律に違反したことをやっている」と陰口をたたかれた。創設メンバーの情熱で今日に至った『このゆびー』の運営はいまでも決して楽ではない。それでも多くのドラマを紡ぎだしている『このゆびー』。こうした取り組みを支援する施策を打つことはもちろん大切だ。ただ、少なくと『このゆびー』のような”場”は制度をいじるだけで創出できるものではないことも確かだ。