つのだひでお(角田 秀穂)|衆議院議員|公明党
つのだひでお(角田 秀穂)|衆議院議員|公明党

障害者の就労支援施策の充実を平成22年9月議会で訴えました。

平成23年度から緊急雇用創出事業を活用して、企業訪問を行い、障害者の雇用に関する情報提供・収集を行うとともに、障害者雇用のための新たな就職先の開拓や実習先を確保して障害者の就職に結び付ける事業がスタートしました。

このブログの目的も私自身の活動の備忘録としての性格が強くなってきています。この投稿も児童虐待防止を考えるなかで過去に訪問した児童養護施設で伺った話の記録です。

 訪問日:平成23年11月15日(火)

 【施設概要】

   設置主体     社会福祉法人

名称         児童養護施設 A

   建物         居住棟 5棟(各4人部屋×1、1人部屋×4)、ほかにショートステイ(2人部屋×3)

   利用定員     児童養護施設40名、ショートステイ6名

 ※児童養護施設とは…児童福祉法41条は、「児童養護施設は、保護者のない児童、虐待されている児童その他環境上養護を要する児童を入所させて、これを養護し、あわせて退所した者に対する相談その他の自立のための援助を行うことを目的とする施設」と定義する。

 

 A園は開設以来10年目を迎える比較的新しい施設。従来の大舎制ではなく小舎制を採用しており、1舎当たり8名の児童が共同で暮らしている。

 大舎制:大舎制が最も一般的な施設形態であり、1舎につき20人以上の児童が住んでいる。特徴として、一つの大きな建物の中に必要な設備が配置されており、一般的には一部屋5人~8,男女別・年齢別にいくつかの部屋がある形になっており、食事は大きな食堂で一緒に食べる。共同の設備、生活空間、プログラムのもとに運営されているため、管理しやすい反面、プライバシーが守られにくい、家庭的雰囲気が出しにくいなどの問題点を抱えている。

 小舎制:小舎制は、1舎につき12人までの児童が住んでいる。特徴として、一つの施設の敷地内に独立した家屋がいくつかある場合と、大きな建物の中で、生活単位を小さく区切る場合があり、それぞれに必要な設備が設けられている。大舎制に比べると職員配置など難しい点もあるが、生活の単位が小集団であるために、より家庭的な雰囲気における生活体験を営むことができる。

 【インタビュー】

   A園施設長、A園総務課長

   入所してくる子どもは児童相談所から措置されてくる子ども。措置の理由はもちろん虐待もあるが、「疑いあり」というグレーゾーンも多い。事実確認の難しさがある。

  児相での専門的な診断の結果、児童養護施設に措置されてくるわけだが、いずれも大変な環境に置かれていた児童だ。例えば虫歯だらけ、体に傷を負っている、多くは心にも傷を負っている。人との関係を作るのが困難などなど。

  施設では子どもたちに楽しい経験を積ませることを心がけている。明確な根拠はないが、楽しい経験を数多く積ませることによって、負の部分を小さくできると考えている。そのためには先立つものも必要A園には後援会があり、園の活動を支援してくれている。

  児童養護施設は18歳までしか居られない。昔は大学等への進学率は低かったが、後援会が入学金や授業料を支援してくれる。お陰で今いる子どもたちも「進学できるんだ」と将来に希望が持てるようになってきている。

  Q:里親に引き取られたケースは?

   これまで1例しかない。

  Q:発達障害と診断された子どもは?

   数名いる。

     Q:職員は足りているか?

   足りない。定着しない。人の確保が難しい。職員の配置基準は児童6人に対して職員1人。これは昔の大舎制の基準だが、小舎制になっても変わっていない。休みも満足に取れないため職員が定着せず、採用1年から3年までの職員が半分を占める状況。

  Q:心に傷を負っている子どもたちの行動はどのようなものか?

   愛着障害、親や社会への恨みの感情、学校生活などで親とともに暮らす子どもと我が身を比較して納得できない感情など、その背景はいろいろ言われているが、実際に子どもたちが示す行動は、万引き、金銭を盗む、友達と仲良くなりそうになると自分からわざと関係を壊すような行動をする。暴れる、物を投げる、感情をコントロールできないなど。また、予測できないときにそのような行動をする。

  Q:心に負った傷を癒すための取り組みは?

   難しい。専門機関との連携とともに、職員も勉強しなければならないが、職員が定着しない現状ではそこまでできない。

 

 9月議会では、地域での整備が進んでいない障害者グループホームについて、行政として積極的に整備を図ることを求めました。

つのだ:グループホームの整備については3年前、平成22年の3定でも取り上げた。この際、福祉部局からは、今後も障害者の方々の地域移行を推進するため、グループホームの整備を推進してゆきたいが、既存の戸建て住宅を小規模グループホームに転用するには、建築基準法上、寄宿舎扱いとする解釈がなされており、改修が必要になることから整備が進んでいないとの回答だった。そこで今回は建築部に対して質問する。グループホームの建築基準法の用途については法律上明確な規定が無く、取り扱いは行政庁の判断に委ねられている。すなわち船橋市内のグループホームの取り扱いは船橋市が判断することになる。前回質問した際に柔軟な対応を要望したが、現状、どのように取り扱っているのか。

答弁:戸建型グループホームは利用形態から住宅より寄宿舎に類似していること、また、安全、防災、防火上 の視点からも寄宿舎として取り扱っている。平成24年3月の日本建築行政会議の報告において、戸建住宅を転用したグループホームのみを異なる扱いとせず、 戸建型グループホームは寄宿舎とみなすことが適切であるとの見解が出されている。このため寄宿舎として取り扱っている。

つのだ:か つては戸建て型の障害者グループホームは既存の住宅をそのままグループホームとして使っているケースがほとんどだった。それが数年前から寄宿舎として取り 扱うという流れになってきたことによって既存戸建て住宅のグループホームへの転用が全く進まなくなっている。既存の戸建て住宅を障害者グループホームに転 用する場合に、建築基準法の用途を寄宿舎として扱うことは、主要な壁は準耐火構造で天井裏まで仕切らなければならないとか、廊下の幅は1メートル20セン チ以上なくてはならないなど住宅用途では求められない規定を満足することが求められるようになる。既存の住宅でこのような条件を満たす適当な物件などまず ない。大規模な改修が必要になり、既存住宅をグループホームに転用することを不可能にしている。

 障害者グルー プホームをつくりたくても街中に開設することはできず、市街化調整区域など郊外にアパート型のような比較的規模の大きな施設を新設せざるを得ない。結果と して障害者総合支援法、また、その前身である障害者自立支援法の目指す「施設から地域へ」という大きな目標とは全く逆の方向へ進もうとしている。

 そもそも、グループホームを巡る取り扱いは、認知症高齢者グループホームの火災を契機に建築、消防との協議が強く求められるようになり、そのなかで多くの自治体が規模の大小に関わらず一律に共同住宅・寄宿舎として取り扱うという流れが主流となったという背景がある。

 いうまでもなく、認知症と知的障害は違う。違うものを一緒くたに取り扱っていることが混乱の大きな要因だと思っている。

 もちろん尊い人命を守るために防火安全体制の確保は大事だ。ただ、規模の大小に関わらず、一律の取り扱いをすることで結果として障害者の暮らしの場を奪っていることについては是非とも見直しをすべきだ。

  それまで、法令に適合し、普通に人が暮らしていた住宅が、障害者が住むとなった途端にダメだと言われる。なぜ障害者は普通の家で暮らしてはいけないのか。 現状の小規模も含めた一律の取り扱いは他の住宅に比して過度の規制であり、結果として障害者に対する差別的な取り扱いとなってはいないか。火災も含めた非 常災害時に備えた計画づくり、定期的な避難訓練の実施など、ソフト面の対策がしっかりできてこそ始めて防火安全体制の向上が図られるものだと考える。

  この点、障害者グループホームの指定を受けたところでは、市の条例規則で非常災害に関する具体的な計画づくりや定期的な避難訓練の実施などが義務づけら れ、福祉部局のチェックが入ることになる。また、グループホームであれば運営費に対する補助があり、それによって世話人の配置などが行われる。さらに、利 用者に対する家賃の助成も市から行われ、経済的な負担の軽減も図られる。

 いま、脱法ハウスという言葉がマスコ ミで頻繁に取り上げられるようになっている。共同住宅などの部屋をさらに細かく仕切って安い家賃で貸し出す商売が全国的に増えているが、消防法や建築基準 法上の問題が指摘されている。障害者グループホームは「障害者の命を守るため」という名分のもとに規模の大小に関わらず一律に共同住宅・寄宿舎とするとい う取り扱いによって、地域でのグループホームの整備が一向に進まないがために、多くが低所得者である障害者がいわゆる脱法ハウスのような問題を抱えるとこ ろにしか住まわざるを得ないようなことになったとしたら、そちらの方がよほど危ういことであるし、本末転倒といわざるを得ない。

  福島県では平成21年7月から戸建て住宅をグループホーム等に活用する場合、2階建て以下、延べ床面積200平米未満の建物については、一定の要件を満た せば「住宅」として取り扱うことにした。要件はいくつかあるが、要するに違法建築物でない限り、住宅として取り扱うということにした。

  また、今年に入って鳥取県も2階建て以下、延べ床面積200平米未満の既存住宅を障害者グループホームに転用する場合、一定の要件を満たせば「住宅」とす るように取り扱いを改めた。鳥取県の場合は、福島県の要件に加えて「全室で火気の使用がないこと」という要件が加えられているが、簡単にいえば、ガスコン ロを電磁調理器に変えればオーケーということ。これには県の補助制度が利用出来ますので費用は微々たるものだ。

 福島県、鳥取県に伺って建築、福祉それぞれの担当者から話をお聞いた。共通するのは障害者が地域で安心して安全に暮らすために真に必要なことは何なのかを、関係部局が集まって検討した。そして、そのような視点で検討したところは同じような結論に達しているということだ。

  そこで提案をするが、本市においても建築、福祉、消防など関係部局による障害者グループホームに関する情報共有、検討の場を設けて、障害者基本法の理念、 障害者総合支援法の理念「共生社会の実現」「地域社会における共生、社会的障壁の除去」との理念やグループホームの特殊性も踏まえた上で、いまの一律の取 り扱いが本当に必要不可欠なものなのかどうか、小規模なものは「住宅」として取り扱うとした場合、管理運営面も含めてどのような防火安全対策が必要になる のかについて、現場の実態調査も行いながら是非とも前向きに検討して頂きたいと思いうがいかがか。

答弁:た しかに認知症と知的障害は違うが、グループホームの安全性をしっかり確保することは大事なことだと思っている。その意味では、日本建築行政会議の報告は基 本的には尊重すべきものだと思っている。しかしながら、他方には市内グループホームの整備を求める切実な声がある。こうしたなかで市としてどのように最善 の対応がとれるのか、ご指摘のとおり関係部局で真剣に検討するのでいましばらく時間を頂きたい。

 一貫した支援を行うためのセンターとしての機能を持つ施設がないことが船橋市の弱点だととの思いから、議会で一貫した支援のためにこども発達相談センターが役割を担ってほしいと訴えてきました。しかし、現在のこども発達相談センターは、施設も小規模でセンターとしての役割を担うには、スペース的にも困難がありました。

 平成27年10月にオープン予定の保健所を併設した(仮称)保健福祉センターに、こども発達相談センターもここに移ることになりますが、面積的にも現在のこども発達相談センターの2倍近くになることから、 これを機に一貫した療育支援の体制をさらに充実すべきと訴えました。

つのだ:就学前までとしている、相談の対象をせめて小学生まで、できれば学校を卒業するまでに拡大して頂きたい。療育はこどもの発達を助け、障害の重度化や重複化を防ぎ、社会生活への適応を可能な限り支援することが大きな目的だと考える。就学前、就学後を通じた一貫した療育体制の整備のためには、早期から子どもに関わっているこども発達相談センターがやはりその中核を担うべきと考える。加えて、一人親家庭、共働き家庭の保護者の利便性を高めるために土日の相談、せめて土曜日にも相談が受けられるようにして頂きたい。

答弁:就学してもフォローが必要な子どもには小学2年生まで相談を継続している。センターが移転し、今より充実した施設になることから、ソフト面も充実させたいと考えており、対象年齢の拡大や休日の相談については全体の相談体制を見直すなかで、関係機関と協議してゆく。

 二人に一人ががんに罹り、3人に一人ががんで亡くなるといわれるなか、がん対策の一層の推進は我が国の健康政策のうえで大きな課題となっています。

 がん対策基本法に基づいて新たに今年度を初年度とする向こう5年間のがん対策推進基本計画が策定されましたが、そのなかで、がんの早期発見のために胃がん検診や乳がん検診などのがん検診受診率を5年以内に50%を達成するという数値目標が掲げられてす。しかし、検診受診率の現状は男性では最も受診率が高い胃がんでも30%台、女性では20%台、また乳がん、子宮頸がんについては検診無料クーポンの導入などの受診率向上策の効果もあり、上昇がみられますが、それでも約3割に止まっており、受診率が70%を超える欧米に比べまだまだ極めて低い水準に止まってます。

複数検診を同時に受診できる体制整備も

 がんによる死亡率を低下させるためには、何よりも早期の発見、早期の治療というものが大切になってくるということはいうまでもありません。

つのだ:検診受診率向上のための効果的な施策のひとつとして、個別受診勧奨・再勧奨『コールリコールシステム』の有効性が導入した自治体から報告されている。これは、検診受診対象者に対して自治体がしっかり案内を行い、受診していない人には再度手紙や電話などで、受診を促すという仕組みで、欧米の高い受診率はこのシステムに負うところが大きいとも言いる。本市においても市民の健康を守るために、コールリコールシステムについても検討して頂きたいと思うがいかがか。

答弁:本市でも一括がん検診では平成20年度から、胃がん検診では平成23年度から未受診者への勧奨を行っている。さらに、受診率向上に向けて集団検診のみから、受診者が集団検診、個別検診を選択できる集団・個別併用検診を実施しており、効果を上げているものと考える。今後さらなる受診率向上のため協力医療機関と連携して未受診者対策を考える。

つのだ:がん検診受診率向上のためには、検診の受けやすさ、市民にとっての利便性の向上も是非とも図ってゆかねばならない課題だ。各種の検診を1回で全て受けられれば、それにこしたことはないが、現状は、対応出来る医療機関が限られているため、受診したくても全てを受けるには2回、3回医療機関に足を運ばなければならず、受けたくとも受けられないという声も聞く。特に胃がん、子宮頸癌、乳がんの検診については、協力医療機関のなかでも対応出来るところが限られていることが受診率向上の上でのネックになっている。例えば複数の医療機関かからなければならない、1回では終わらないけれども、せめて、1日で受診することができるようにする。そのために協力医療機関による統一的な予約システム開発ということも必要ではないか。受診率50%という高いハードルをクリアするためにはむしろこれぐらいのことはやらなければならないはずだ。今後、こうした利便性の向上についてもぜひ積極的に考えて欲しい。

身近に蔓延する脱法薬物、怖さは麻薬以上

違法薬物と似た興奮・幻覚作用がある法のにもかかわらず法の規制対象になっておらず、「お香」などと称し、簡単に手に入れることができるいわゆる“脱法ハーブ”による健康被害や吸引した直後に自動車を運転して事故を起こした事件などが、特に昨年後半から今年に入って多く取り上げられるようになっています。

 東京都内では、「脱法ハーブを吸い体調不良で救急車を要請した人は、今年の1~5月末までに99人にも上った。このうち、10~20歳代が全体の約64%を占めた。99人という数字は昨年1年間の実に9倍だ。」という報道もあります。

乾燥した植物片に化学物質をまぶした脱法ハーブに関して、国は2007年から、薬事法に基づいて健康を害する化学物質を「指定薬物」とし、その製造・販売などを禁じており、今年7月1日には9物質が追加され、現在、77物質が「指定薬物」に定められています。

 しかし、脱法ハーブの化学物質は、指定薬物の成分を一部変えることで規制の網から逃れているものが多い上、店側が脱法ハーブの吸引を促すように売り出すことは法律違反になるが、「お香」「観賞用」名目で販売すれば違反にならないことから、規制をしても後から後から規制の網をくぐった脱法ハーブが出回る状況で、対策は後手に回り、行政も手出しができず、野放しの状態となっています。

 脱法ハーブの場合、どのような有害成分が入っているのか、よく分からない、そのために治療もどのようにやったらいいのか分からないがゆえに、ある意味、麻薬や覚せい剤よりも恐ろしいといえます。

つのだ:市内で脱法ハーブを吸引して体調を崩したと見られる患者の救急搬送の実績はあるのかどうか、あるとすれば何件あったのか。また、市内で脱法ハーブを販売する店の実態は把握しているかどうか。

答弁:平成23年と24年8月末までに脱法ハーブに起因すると思われる救急要請件数は6件、そのうち医療機関に搬送された件数は3件あった。脱法ハーブの指導取締りは、県の所管となるため、保健所では脱法ハーブの販売が疑われる情報に接した場合には県に情報提供することになっている。県に確認したところ、現在のところ市内で脱法ハーブを販売している業者はないとのことである。

つのだ:実際には船橋市役所の近くにも脱法ハーブを売っている店がある。店に足を運んで確認したが、ちゃんと脱法ハーブを売っていた。お金を出せば誰でも買えてしまう。身近なところにも蔓延してると改めて痛感した。こんなものに手を出さないように手を尽くして頂きたい。脱法ハーブが急速に蔓延しつつある現状に対して、市としても学校教育も含め市民に対する正しい知識の普及啓発活動に積極的に取り組んで頂きたいがいかがか。

答弁:街頭キャンペーン、ポスター、ホームページ等で薬物乱用防止を訴えているが、脱法ハーブに関する正しい知識の普及にも取り組むなど乱用防止対策の一層の推進に努めたい。

 

 介護保険料は3年に1度見直しされます。このことは、一旦決めた保険料は3年間は変えられないとうこを意味します。現在、来年度から3カ年の介護保健事業計画の策定作業が進んでいます。このなかで来年度以降の介護保険料の検討も行われていますが、現時点で保険料の改定率は全体で12%程度の値上げになる見通しです。12月議会では保険料の設定にあたっては、特に低所得の年金生活者に配慮することを求めましたが、その背景について少し述べたいと思います。

グラフは、70歳で配偶者(70歳、収入なし)と2人暮らし、収入は年金のみ、住まいは賃貸住宅。税金は住民税と所得税、社会保険料は国民健康保険料と介護保険料というケースの世帯の可処分所得が平成17年からどのように推移してきたかを試算したものです。横軸に年金収入、縦軸に年金収入から税金と社会保険料を引いた可処分所得を取っています。一番手前に生活保護に該当するかどうか大まかな目安を示しています。年を追うごとに可処分所得は減っています。

 平成18年に可処分所得が減ったのは、平成18年度の税制改正で、公的年金控除額が引き下げられた結果、年金生活高齢者の負担が増え、その分、可処分所得が減ったことなどによります。この際、最も大きな影響を受けたのは、それまで非課税であったものが課税になったことにより、それに引きずられる形で介護保険料まで段階が上がって、保険料負担まで増えてしまった層でした。 船橋市の場合、このモデルでは年金収入が266万円以下の世帯が該当しますが、ただ、負担増のうち増税による分は4分の1にしか過ぎませんでした。一方で、介護保険料の負担増分が半分以上の実に55%を占めていました。もとより、介護保険料の負担増は、介護保険財政上の要請でもなんでもなく、単に税制改正に引きずられた結果、負担増になってしまったもので、何とか救済措置はとれないものかと当時、訴えましたが、介護保険料は3年の計画期間の中で定めているもので、途中で改定することはできない、という返事でした。

つのだ:介護保険料というものは、市が設定する料金等の中で最も融通が利かない性格をもったものといえる。こうしたことも踏まえて向こう3年の間に特に年金生活者を取り巻く環境がどのように変わってゆくのかということにも想像を巡らせて介護保険料の設定を考えて頂きたい。現時点で、向こう3年の間に起こりそうな変化を考えてみると、まず、いまの政府は年金の支給額の特例水準、本来より高いままになっている部分を3年から5年かけて引き下げると言っている。さらに、消費税を上げるということも言っている。消費税については4年間は議論もしないというのが国民に対する約束だったと思うが、2年しか経っていないのに上げると言っている。決まったわけではないが、実施されれば、最も影響を受けるのは所得の少ない層だ。介護保険料については、今後、作成委員会で具体的な検討が行われた後に、最終的には市長が案を示すことになるが、いま述べたことも勘案して、極力、低所得層の負担増を避ける保険料設定を心がけて頂くことを要望する。