つのだひでお(角田 秀穂)|衆議院議員|公明党
つのだひでお(角田 秀穂)|衆議院議員|公明党

市議時代

12月市議会は11月27日に開会しました。今日(4日)は私の一般質問の日でした。
今回は(1)来年4月からスタートする特別支援教育への本市の取り組みについて(2)障害者自立支援法の実施に伴う障害(児)者へのサービスについて(3)市民に親しまれる市役所づくりの一方策として「市役所コンシェルジュ」の配置ーについて質問と提案を行ないました。以下にその概要を報告します。

(1)特別支援教育への取り組みについて
◆つのだ 来年4月からスタートする特別支援教育について、これまでの盲・聾・養護学校が特別支援学校へと名称が変り、複数障害への対応や地域の小中学校への支援のセンター的役割りを担うようになるほか、特殊学級も特別支援教室となり、その性格も変るといわれているが、具体的にどのように変るのかがいまだ明確ではないため、不安を抱いている保護者も多い。そこで本市においては具体的にどのように変るのか伺いたい。また、特別支援教育においては障害のある児童生徒との交流等も課題とされているが本市の取り組みを伺う。
◆答弁 市立船橋養護学校については、特別支援学校に名称変更とともに、知的障害だけでなく肢体不自由など複数の障害にも対応できるか検討している。また、特殊学級は特別支援学級となるが、現在のところ名称変更以外に大きな変更点はない。障害のある児童生徒との交流、共同学習については特殊学級設置校においては授業や行事の参加を通じて日常的に交流に取り組んでいるが、今後は共同学習も視野に入れて取り組みたい。
◆つのだ 普通学級に在籍するLD、ADHD 、高機能自閉症などのある児童生徒への適切な支援を行なうため、本市においては平成15年度に船橋小学校に情緒通級指導教室を開設したのを皮切りに、三咲小学校、行田西小学校、船橋小学校へと通級指導教室を拡大していることは評価するものだが、通級指導の希望者の増加もあって、十分な指導時間を確保できないのが現状のようである。先日も通級指導教室の現場を視察させていただいたが、通級教室での指導時間は一週間に一度1時間15分しか確保できない現状のなかでは支援計画の目標達成には在籍学校や保護者の理解と協力が不可欠であることを痛感した。特に懸念されるのは、障害を持つ児童生徒が在籍する学級、学校において、障害に対する理解と対応が不十分なために、児童生徒がいじめの対象となり、不適応を起こし、登校拒否に陥るケースが多いということ。障害を持つ児童生徒への適切な支援を行なうため、全ての教職員に対する研修については福祉・医療との連携も図りながらしっかり行なっていただきたい。また、特別支援教育の理念実現のためには、通常学級への介助員配置はどうしても避けて通れないことだと思う。教育委員会としても前向きな検討を求める。

(2)障害(児)者への支援について
◆つのだ 障害者自立支援法の新たなメニューである日中支援について、サービスを利用したくても事業所が一杯で利用できないという声を聞くが、実態をどのように把握しているのか。また、地域での受け皿づくりを進めるためには市が実施している「心身障害者一時介護料助成」制度の年間上限枠緩和など拡充も必要ではないか。障害(児)者への支援としてもう一点は、現在、認知症高齢者を対象に実施しているGPSを活用した位置情報サービスを知的障害者を介護する家族などでも希望すれば利用できるようにすべきではないか。
◆答弁 市内の日中一時支援事業者に問い合わせたところ、週末利用の際に希望者が集中して断ったことがあるところが3事業所あった。日中一時支援事業所は支援費のときより拡大が図られているが、その情報が利用者に十分伝わっていない面もあり、周知を図ってゆきたい。「一時介護料助成」についても日中一時支援事業の利用の推移とあわせて、いましばらく推移を見守りたい。GPSを活用した位置情報サービスにつては知的障害者等の方の必要性も理解できるので、保護者の意見を伺いながら研究してゆきたい。

(3)市役所コンシェルジュの配置について

◆つのだ 市役所を訪れる市民へのサービス向上策、特に高齢者や障害者など付き添いが必要な場合の対応を充実させるため、ホテルのコンシェルジュのように付き添いを基本に必要な手続きがスムーズに行なわれるよう手助けするサービスを考えるべきではないか。この際、経験豊富な再任用職員と全庁的な接遇意識向上の観点から特に若手職員とチームを組んで応対することを提案する。
◆答弁 コンシェルジュ業務への再任用職員及び若手職員の配置については、行政知識の習得や接遇意識の向上に効果があると考えられるので、再任用制度や研修制度全体の見直しにあわせて研究してゆきたい。

障害者自立支援法の全面施行を控えた8月14日、公明党は厚生労働大臣に対し、障害児のいる家庭と一般の子育て家庭との負担を公平にする観点から、通所・入所施設の利用に対する軽減措置の拡充などを求める緊急要望を行ないました。10月から障害児施設を含む全ての施設で原則利用料の1割負担と食費が課せられることに伴い、従来よりも保護者の負担が大幅に増えてしまうという不安の声を受け止めて緊急に申し入れたものですが、これに対して厚生労働省は同24日、地方自治体に対し通所施設に通う障害児(未就学)の負担を保育所の保育料並みとする新たな見解を提示しました。そこから全国の自治体では負担額の見直し作業に取りかかり、船橋でも検討の結果、保育料相当の負担額とすることを決めました。
緊急要望で「一般の子育て中の家庭の負担との公平性の観点から」として軽減を求めていたものが、具体的な形として「保育料相当」の負担額として示された、結果として当初より負担が軽減されたことは一定の評価をするものですが、ただ、一般の子育て世帯との公平という観点からはさらなる負担軽減措置が必要だとの思いで知的障害児通所施設「さざんか学園」の利用者負担について今議会で質問並びに提案を行ないました。
船橋では障害児通諸施設として、知的障害児通園施設「さざんか学園」、在宅肢体不自由児通園施設「簡易マザーズホーム(東・西)」、肢体不自由・知的障害児に指導を行なう「親子教室(3カ所)」を運営しているほか、市外の通所、入所施設を利用している障害児についても利用費助成を行っている。このほかに10月1日からは「第2さざんか学園」(法人立)が市内にオープンすることになっています。
このうち「さざんか学園」の利用者負担(第2さざんかも基本的に同じ)を巡っては、例えば市民税額14万1円以上28万円以下の世帯の場合、これまでの制度のもとでは月額7,300円であった利用者負担が「保育所の保育料並みとする」という考えに立った新たな利用料設定においても月額で25,691円と3倍以上の負担になってしまいます。「市の保育料と合わせました(ちなみに同じ収入階層の保育料は26,500円)。ほかの家庭の子育ての負担と同じレベルです」といわれても、保護者としては納得できません。そもそも保育所とは目的も内容も異なります。さらに、子育て世帯の負担の公平という観点からも、さざんか学園の利用料設定には大きな問題があります。以下はこの点を取り上げた今議会での質問要旨です。
『知的障害児通園施設「さざんか学園」の10月からの利用料について、4歳児以上の保育料に合わせるとのことだが、当然のことながら「さざんか学園」は保育所とは目的や内容が全くことなる。そのうえ、経済的負担という面でも一般子育て世帯との比較で考えた際、例えば保育所に子どもを2人以上預ける場合、子育ての経済的負担軽減のため、保育料は第2子は標準保育料の半額、第3子は標準保育料の10分の1となる。また、幼稚園に2人以上通わせる場合においても、同様の考え方から、就園児奨励補助金が第2子以降は増額して交付される。例えば市民税所得割額が18,601円以上135,000円以下の世帯の場合、第1子については56,900円の補助金額だが、これが第2子については126,000円、第3子以降については238,000円 となる。さざんか学園に通所している児童の兄弟が保育所に通っているという場合に保育料減額の規定が適用されるのか、また、兄弟が幼稚園に在園しているという場合、就園児奨励補助金の割り増し基準が適用されるのか、こうしたことが配慮されない、できないのであれば、結局障害児を育てる家庭の子育ての経済的負担という面でも極めて不公平だといわざるを得ない。
具体的にどうすればよいかを考えた場合、例えば、兄弟が保育所や幼稚園に通っている場合、兄弟全員が保育所に通っているものと見なして、あるいは全員が幼稚園に通っているものと見なして経済的負担に不公平が生じないよう利用料を設定するという方法も考えられなくはないが、事務作業が非常に煩雑になるうえ、保護者にも余計な手間を取らせることになり、現実的とはいえない。
そこで現実的な負担軽減方策を提案するものだが、まず1点目として、さざんか学園の利用料については、一律に保育所に2人以上預けた場合の2人目に適用される保育料、すなわち標準保育料の半額程度とすること。そのうえで、2点目として現実に3人以上の子どもをさざんか学園と保育所、幼稚園に通わせている世帯に対しては、それぞれの所管と連携を取って、障害児を育てるがゆえに過度の負担を強いられることのないよう負担軽減策を講ずること。以上のことを検討し、速やかに実施することを強く求める。』
保育所であれ幼稚園であれ第1子の負担を10とするならば、第2子は半分の5、第3子以降は1割の1、10:5:1の割合で子育ての負担軽減を図る。これは公明党が野党時代から強く主張し、推進してきた経緯があります。
子どもが障害を持つが故に不公平な負担を強いられるようなことがあれば、市町村レベルにおいてもまず我々がその是正に取り組む責任があります。
障害者自立支援法は、すべての障害者が必要なサービスを公平に利用して地域で生活できる基盤整備をめざすものであり、この理念自体には異論は少ないと思います。ただ、過重な負担を強いられ、その結果、サービスが利用できないという事態が生じては本末転倒です。こうしたことが起こらないよう法施行後も本来の目的に適った運用がなされているか、今後もしっかり検証してゆきます。

高齢者が住み慣れた地域で暮らし続けることを可能にするための地域密着型サービスの推進について、今議会で行なった質問とそれに対する答弁を以下にまとめます。
Q. 本市の整備計画では平成20年度の見込量として、認知症高齢者のグループホーム419床、小規模特養29床としているが、確保できるのか。また、地域密着型特定施設について今回の計画にはないが、今後の整備についてはどう考えているのか。
A. 認知症高齢者グループホームについては、今年度から20年度にかけて毎年公募を行ない、適正な審査をし、選定する。整備に当たっては見込量に達成させるということだけでなく、整備地域についても適正な配置となるよう取り組んでゆく。地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護、いわゆる小規模特養については、今年度公募を実施する予定である。 また、地域密着型特定施設については、国が示した参酌標準を基に検討した結果、認知症高齢者グループホームや小規模特養の整備が優先急務のため、次期計画に向けての検討課題とし、今回計画には見込んでいない。
Q. 認知症対応型通所介護と小規模多機能型居宅介護の整備見通しについてはどのように考えているのか。
A. これらについても市のホームページで申請方法についてのお知らせを掲載するなど、計画した見込量に向けて整備を進めている。
Q. 地域密着型サービスの整備と合わせ、これらサービス利用者と、地域との連携をいかに図ってゆくかも大きな課題と考えるが、この点についてはどのように取り組んでゆく考えなのか。
A. 質問のとおり地域密着型サービスの利用者と、住み慣れた地域との交流を図っていくことは非常に大切なことである。小規模多機能型居宅介護や認知症高齢者グループホームなどは国の省令により運営推進会議の設置が義務づけられている。これは地域との連携等を目的としたもので、利用者、利用者の家族、地域住民の代表者、地域包括支援センター職員、事業について知見を有する者等に構成されている。今後はこの会議を、地域交流を図るうえで活用してゆく。

9月議会詳報(1)〜税制改正に対応した高齢者在宅福祉〜

まず、上のグラフの説明から。税制改正に伴って年金生活の高齢者世帯の可処分所得が平成18年度から20年度までどのように推移するかを試算したもの。横軸の数字は年金収入額(円)、縦軸の数字は年金収入額から税金と社会保険料を払った後に手元に残る可処分所得額(円)を示しています。
試算の前提としたケースは(1)今年1月1日時点で66歳以上で配偶者(70歳未満、収入なし)と2人暮らし、収入は年金のみ、住まいは賃貸住宅(2)税金は住民税と所得税、社会保険料は国民健康保険料と介護保険料。
税制改正に伴って特に65歳以上の高齢者の方については、昨年度までは市県民税が非課税であったものが、今年度から課税されるケースがかなり発生したことで、各地で混乱が生じているのは報道などでご案内の通りです。今回の税制改正は世界に類を見ないスピードで進む高齢化・少子化を背景に、将来にわたって社会保障制度を維持してゆくためには、現役世代のみに負担を押しつけるには限界がある。このため負担できる高齢者にも負担をお願いしたもので、今回の老年者控除、公的年金控除の見直しによる増収分は、安定した年金制度確立のための財源として役立てることになっています。ただ、これはあくまでも負担できる方に負担していただくということが大前提であり、税制改正に伴って本来負担できない方にも重い負担を強いるようなことが生じた場合には、国においても地方においても速やかに対応策を講じるべきです。9月議会で取り上げた高齢者の在宅福祉サービスもこうした視点から質問したものです。税制改正に伴う全般的な負担増の問題については改めて吟味するとして、ここでは今回質問した在宅福祉サービスに絞って論じたいと思います。

船橋市では昨年度まで住民税(市県民税)本人非課税の方に対して介護用品(おむつ)支給事業を実施していました。対象者には月額6,250円を限度に介護用品を支給するもので、17年度の利用実績は625人。これは船橋の実施している高齢者在宅福祉サービスのなかでも緊急通報装置貸与事業に次いで利用者が多い事業、即ち必要性の高い事業です。上のグラフでは一番右の収入(267万円)の世帯のみが市県民税課税で、それより左はすべて17年度は非課税です。したがって介護用品(おむつ)支給事業の対象でした。
税制改正により、17年度までは本人非課税で介護用品の支給を受けられていた方が、課税になってしまうことによってこのサービスを受けられなくなってしまうことがないよう船橋では支給の要件を見直し、平成18年度は住民税の課税要件を12,000円以下の方まで対象とする。19年度は25,000円以下、20年度は37,000円以下と段階的に緩和することとしました。税制改正によって従来、福祉サービスを受けられていた方が受けられなくなてしまうようなことがないよう、支給要件を見直したことは評価できます。ただ、この要件が本当に妥当なのかどうかを検討した結果、上のグラフに矢印で示しましたが、船橋の設定した要件では昨年度までは対象となった方が18年度、19年度には対象とならないというケースが生じてしまいます。しかもグラフを見ていただければ分かる通り、収入は多いにもかかわらず、可処分所得はより収入の低い世帯よりも少ない、すなわち可処分所得が逆転している層が福祉サービスも受けられなくなってしまいます(可処分所得の逆転は公的年金控除の縮小と合計所得金額125万円以下に対する非課税措置の廃止を同時に実施した結果生じたものですが、詳しくは全般的な負担増のなかで述べたいと思います)。
いずれにしても船橋の設定した税額要件では不公平が生じるということで、要件の大幅な緩和が必要だと主張して行政の考えを質しました。これに対する答弁は、「税制改正に伴い、引続き支給対象になるように所得要件を段階的に緩和する措置を講じたところ。また、新規申請者についても、継続利用者との均衡がはかれるよう対応したところ」としたうえで、「しかしながら、指摘されたように当初の趣旨が十分に達成できないようなケースがあれば、現行の制度を検証のうえ、追加的な対応を行なってゆきたい」と、現行の要件について見直してゆく考えを示しました。

今月4日から26日までの会期で船橋市議会(9月議会)が開かれています。今日(12日)は私の一般質問の日でした。

今回の一般質問では、(1)介護保険と高齢者福祉(2)障害者の自立支援ーについて取り上げ、(1)の介護保険と高齢者福祉では、介護予防への本市の取り組みの現状、高齢者が住み慣れた地域で暮らし続けるための地域密着型サービスの本市における取り組み、税制改正に対応した在宅福祉サービスのあり方について、(2)の障害者の自立支援については、障害者自立支援法で新たに導入された障害程度区分認定の適正確保、就労支援への取り組み、子育て世帯の負担の公平性を考えた際の知的障害児通園施設「さざんか学園」の利用料のあり方ーについて質問並びに提案を行ないました。

以下は今回の質問・提案の要旨です。なお、質問や提案の背景、答弁等の詳細についてはこれから順次補足してゆきます。

(1)介護保険と高齢者福祉

■介護予防
本市における、新予防給付及び地域支援事業の介護予防事業の実施状況はどのようになっているのか。また、地域包括支援センターの業務実績はどうか、来年度以降の体制整備についてはどのように考えているのか。

■地域密着型サービス
本市の整備計画では平成20年度の見込量として、認知症高齢者グループホーム419床、小規模特養29床としているが確保できるのか。また、地域密着型特定施設について今回の計画にはないが、今後の整備についてどのように考えているのか。地域密着型サービスの整備と合わせ、これらサービス利用者と、地域との連携という課題にはどのように取り組んでゆくのか。

■税制改正に対応した在宅福祉サービスのあり方
在宅高齢者の福祉サービスについて、今回の税制改正により従来はサービスを利用できた方が利用できなくなるということがないよう、支給要件等について配慮がなされていることは評価するが、ひとつだけ疑問に思うことがあるので質問する。在宅福祉サービスのメニューのひとつである介護用品(おむつ)支給事業について、税制改正後の新たな基準では昨年度までならば新規に支給を受けられた方が、今年度以降は受けられなくなるケースが懸念されるが、このことについて市としてはどのように考えているのか。

(2)障害者の自立支援

■障害程度区分認定の適正確保
障害程度区分の認定作業において、2次判定で上位区分に変更された割合はどの程度か、また、変更されたケースでは、どのような要因にによって変更されたのか。認定が担当者によって差異が生じないよう、どのような対応を図っているのか。2次判定における程度区分変更について具体的指針が必要とされるが、本市ではどのように取り組んでゆく考えなのか。

■就労支援
障害者自立支援法により、本市の障害者に対する就労支援はこれまでと比べて具体的にどのように変るのか伺いたい。

■さざんか学園の利用料
知的障害児通園施設「さざんか学園」の10月からの利用料について、4歳児以上の保育料に合わせるとのことだが、当然のことながら「さざんか学園」は保育所とは目的や内容が全くことなる。そのうえ、経済的負担という面でも一般子育て世帯との比較で考えた際、例えば保育所に子どもを2人以上預ける場合、子育ての経済的負担軽減のため、保育料は第2子は標準保育料の半額、第3子は標準保育料の10分の1となる。また、幼稚園に2人以上通わせる場合においても、同様の考え方から、就園児奨励補助金が第2子以降は増額して交付される。例えば市民税所得割額が18,601円以上135,000円以下の世帯の場合、第1子については56,900円の補助金額だが、これが第2子については126,000円、第3子以降については238,000円 となる。さざんか学園に通所している児童の兄弟が保育所に通っているという場合に保育料減額の規定が適用されるのか、また、兄弟が幼稚園に在園しているという場合、就園児奨励補助金の割り増し基準が適用されるのか、こうしたことが配慮されない、できないのであれば、結局障害児を育てる家庭の子育ての経済的負担という面でも極めて不公平だといわざるを得ない。

具体的にどうすればよいかを考えた場合、例えば、兄弟が保育所や幼稚園に通っている場合、兄弟全員が保育所に通っているものと見なして、あるいは全員が幼稚園に通っているものと見なして経済的負担に不公平が生じないよう利用料を設定するという方法も考えられなくはないが、事務作業が非常に煩雑になるうえ、保護者にも余計な手間を取らせることになり、現実的とはいえない。

そこで現実的な負担軽減方策を提案するものだが、まず1点目として、さざんか学園の利用料については、一律に保育所に2人以上預けた場合の2人目に適用される保育料、すなわち標準保育料の半額程度とすること。そのうえで、2点目として現実に3人以上の子どもをさざんか学園と保育所、幼稚園に通わせている世帯に対しては、それぞれの所管と連携を取って、障害児を育てるがゆえに過度の負担を強いられることのないよう負担軽減策を講ずること。以上のことを検討し、速やかに実施することを強く求める。

本年6月議会で主張した(国民健康保険加入者の)出産育児一時金の全額貸付が、10月1日からの出産育児一時金引き上げ(30万円から35万円)に合わせて実施されることになった。これまでは予定日まで1ヶ月を切った場合や妊娠4ヶ月以上で医療機関に支払いの必要が生じた場合に出産育児一時金の9割(=27万円)を限度に貸し付けていたものが、1度の手続きで全額(10月からは35万円)の貸付が受けられるようになった。
(参考=この問題を議会で取り上げた議事録)(06年)6月議会

出産育児一時金を使いやすくするための方策として保険者によっては、貸し付け制度の代わりに受領委任払い制度をとっているところも増えている。国も受領委任払い制度の導入を保険者に対して促しており、船橋市も来年度から受領委任払い制度を導入する方針だ。受領委任払いは、事前に協定を結んだ病院等で出産する場合、出産育児一時金を保険者から直接病院等へ支払うもので、本人は一時金の金額を上回る部分だけを支払えばよいというもので、それはそれで負担の軽減に一定の効果がある。

ただ、そもそも出産育児一時金は、分娩費のみに使途が限定されているものではないこと、また、出産は一般の疾病と異なり利用される病院が例えば里帰り出産のように市域、県域を超えて広範囲に及ぶことから、受領委任払い制度が利用できないケースも多く考えられ、その場合は結局、病院等への支払いを一旦は自前で工面しなければならないこと、さらには、手続きに要する手間は変らないことなどを考えた際、貸付制度を見直すことにより、出産前に全額の貸付を受けられるようになれば、そちらの方が使い勝手がよい、負担感の軽減のためにはより効果的であるとの考えから貸し付け制度の充実を提案した。

調べた範囲では受領委任払いを行なっているところは貸付については行なっていないところが多い。どちらの制度が優れているかを論ずるよりも、利用者の使い勝手の点から考えれば受領委任払いと全額貸付の2本立てで運用するのが正解だと思う。大切なことはより多くの市民のニーズに応えられる制度にできるか否かだ。

事例はそれほど多くないものの、貸付と受領委任の2本立てでやっている自治体の状況をみてみると、例えば、船橋と同じ中核市のO市の場合、平成17年度の総給付件数576件に対して受領委任払い利用が218件、これに対して貸し付け制度の利用は5件と圧倒的に受領委任払いの利用が多い。しかしながら船橋と同じ首都圏に位置するT市においては、17年度の総給付件数349件に対して受領委任払い25件、貸し付け制度の利用は12件となっており、両制度の利用実績にそれほど大きな差はない。地域によって利用状況にはかなりの差があるようだ。また、これら2市の貸し付け制度の限度額は8割となっている。全額貸付であればさらに利用は伸びるのではないだろうか。

こうしたことも踏まえ、船橋においては受領委任払いを導入した後も、貸付制度は残す、即ち2本立てで運用し、その利用状況をよく見極めることを求めている。

●母子家庭の自立支援について●

Q. 母子家庭をはじめ、身寄りのない高齢者の住宅確保支援策について、私自身過去の議会において提案したが、その後の検討状況について伺いたい。

A. 高齢者、ひとり親家庭、障害者等の方々の住宅確保については、重要な課題の一つと考える。既に支援事業を行っている「横浜市民間住宅あんしん入居事業」があり、この事業は家賃等の支払い能力があるものの、保証人がいないことを理由に民間住宅を断られてしまう高齢者などの方に、「入居支援」と「居住支援」を行なうことで、民間賃貸住宅への入居をし易くし、安心して自立した生活ができることを目的に平成16年10月に開始された。この事業の申込み件数は16年度は132件、17年度は353件あったと聞いている。

横浜市が実施して3年目に入り、都内・埼玉県下の一部市においても同様の制度が取り入れられて来ている。各制度の内容が異なることから、実績や効果を見極めながら検討し、福祉関係部局とも連携をとりながら、本市に合う住宅確保支援策について取り組んで参りたい。
(参考=この問題を議会で取り上げた議事録)05年6月議会