その他
10月15日から16日にかけて、台風26号による記録的な豪雨により、船橋市内でも20数年ぶりという大きな被害が発生しました。特に飯山満川流域に被害が集中したことから、12月議会では飯山満川の河川改修事業を中心に取り上げました。
☆県と市にまたがる管理体制☆
飯山満川は海老川に注ぐ延長6キロメートルほどの小さな河川ですが、ちょうど中間にあたる芝山のオレンジガーデン付近から下流が県管理の二級河川、上流が船橋市の管理となっています。
現在、二級河川区間では県が平成3年から大雨(時間降雨50ミリ)に対応出来るよう河道の付け替えや防災調節池の建設などを内容とする河川改修事業(目標年度平成28年度)を実施していますが、飯山満川が溢水した際の受け皿となる防災調節池も全く工事が進んでいない状況です。
市の答弁では、緊急的な対策として市が管理する区間で集水マスの増設などを行うとのことでしたが、抜本的な対策としては、県との連携を強化することが必要と訴えました。
今回の水害を踏まえて、地盤高が低いために川が溢れる前に逆流して浸水被害が発生する箇所については河川への排水口に逆流防止施設の設置することなどを市に申し入れていますが、水害を解消するには下流域も含めた一体的な整備が不可欠です。
☆UR(芝山団地)調整池も流域の洪水対策に活用すべき☆
つのだ:飯山満川は、ほぼ中間地点から下流が県管理の二級河川、上流が市の管理と、県と市に管理がまたがっている。今回の水害はこの弊害が現れたとも思っている。流域の住民が安心して暮らせるようにするため、県に対して改修事業の早期完成を求めるとともに、連携を強化して、市もしっかり対策を講じて頂きたい。また、第2調節池予定地に隣接して既存のURの調整池がある。市への移管に向けて協議が行われているが、団地の敷地内に降った雨を集めているこの調整池も流域の洪水対策として活用すべきではないか。
答弁:飯山満川は下流の2級河川部分の整備が治水対策の基本であることから、先日も県に対して早期事業完了の要望を行った。今後も継続的に行ってゆく。UR調整池の活用は、市に移管されたら、流域対策施設として有効活用できるよう検討する。
障害者の就労支援施策の充実を平成22年9月議会で訴えました。
平成23年度から緊急雇用創出事業を活用して、企業訪問を行い、障害者の雇用に関する情報提供・収集を行うとともに、障害者雇用のための新たな就職先の開拓や実習先を確保して障害者の就職に結び付ける事業がスタートしました。
★市民に被害解消の道筋を具体的に示すことができる計画づくりを★
近年のゲリラ豪雨の多発により、多くの市民が浸水の不安を抱えながら暮らしています。こうした豪雨の多発に対して船橋市は今年度、5年に1回程度の確率で発生する大雨(時間降雨量56ミリ)に対応できるようにするための雨水整備計画を策定しました。
計画では、市内139排水区のうち対策が必要な34排水区を「整備区域」とし、さらにその中でも緊急に対策が必要な7排水区を「優先整備地区」と位置づけ概ね10年かけて対策を行うとしています。
浸水被害解消への道筋が示されているのはとりあえず「優先整備地区」だけで、面積にして市域の約1割に過ぎません。計画図の点は平成5年から21年までに浸水被害が発生した箇所を示していますが、「整備地区」内だけで約1,000箇所の浸水被害解消の道筋はこの計画からは見えてきません。
9月議会では、船橋市の雨水整備計画について、市民の不安解消のためにも、具体的な計画を示せるようにするとともに、スピード感を持って対策を進めるよう訴えました。
つのだ:雨水整備計画で明らかになっているのは、優先整備地区の対策に要する事業費が50億円で、期間は10年ということだけだ。それ以外の整備区域とされてる34排水区の対策を講じるのにどれだけの費用がかかるのか。また、期間についてはどうか。緊急的な対策としての道路ます蓋の取り替えや側溝•横断側溝の設置には道路部とも計画を共有しておく必要もあるが、具体的に来年度の計画はどうなっているのか。
答弁:優先整備地区と同様な手法で整備した場合、34排水区では約280億円と見込まれ、相当な期間が必要になる。道路部と連携して実施する緊急対策については、浸水箇所の現地状況等から、集水ますの設置などの対策を引き続き協議して施工してゆく。
つのだ:極めて多くの市民が不安を抱いている豪雨への対策、安心できるまちづくりの道筋が見えない。対策が必要な箇所のうち、優先的に整備しなければならないのはどこかという順位付け、スポット的な緊急対策で効果がありそうなのはどこか、1カ所の対策で2カ所以上の被害地点を解消できるところなど、効果も検討したうえで、大まかでもよいから対策実施の順位付けを行わなければ、必要な予算も確保できないのではないか。
対策には道路部との連携も不可欠であり、必要な予算は道路部にも確保してもらわなければならないわけだが、そのためにも詳細な検討が求められるのではないか。
ぜひとも対策の道筋を可能な限り市民に示してもらいたい。雨水対策は市政の緊急課題であり、しっかり予算を確保してスピード感を持って対策を進めてもらいたい。
特にこの2、3年、船橋市や船橋市を所管する市川児童相談所への子どもの虐待相談は著しく増加しています。
児童虐待防止は社会が正面から取り組まなければならない問題であり、自治体にとっても緊急の対応を要する極めて重い課題となっています。
9月議会では、市独自の児童相談所の設置の必要性を訴えるとともに、当面、市の支援体制の充実を早急に図るべきとの立場から現在、別組織で行われている母子健康手帳の交付や、乳幼児健診、保健師による訪問などの業務を児童虐待防止や保育など子育て支援の業務と一体的に行うように組織の見直しを行うよう提案しました。
つのだ:虐待相談の増加に加え、継続して関わらねばならないケースも増加している現状に対応して、さらなる体制の充実を早急に図るべきと考えるがどうか。
児童相談所が関わらねばならないほど深刻な事態になる以前に、その芽を摘み取るための早期の対応をいかに図ってゆくかが、地元自治体に求められている。近年、虐待防止のプログラムが国内でも実施されるようになり効果を上げているとの報告もある。有効な手立ては積極的に取り入れるべきと考えるが、本市の取り組みはどうか。
答弁:家庭児童相談室の増員を図ってきたが、依然として通告件数は増加しており、継続して関わっている世帯数も増えていることから、家庭児童相談室の増員について関係部局と協議している。
児童虐待防止のためのプログラムについては、今年度は2つの事業を予定している、一つはペアレンツサポートグループ(PGS)という事業で、子どもとうまく関われないという悩みを抱える親同士が話し合える機会を設け、悩みを話したり、他の親の話を聞くことが共感を呼び、孤立化を防ぐことで虐待防止や回復につなげる事業。もうひとつは、コモンセンスペアレンティング(CSP)という事業で、言葉でのやりとしができる3歳以上小学校高学年までの子どもの保護者のうち、子どもの叱り方や対応など、子どもとの関係調整が必要な保護者を対象に、暴力や暴言を用いずに子どもを育てる方法を専門の講師が伝え、虐待の要望や回復につなげる事業である。
つのだ:児童虐待の早期の気づき、早期の支援のため妊娠から出産、子育てを一貫して見守り、必要な支援を行うようにするためには、現在、健康部が所管している母子保健業務を子育て支援部が担うようにすべきではないか。
答弁:妊娠から出産、育児に至る一連の母子保健事業の中で、虐待の未然防止とともに、早期発見•早期対応に努め、必要なときには関係課、関係機関とともに速やかに連携している。今後についても母子保健と子育て支援部は、車の両輪のように一体となって活動を展開することが大切で、一掃の連携を図ってゆく。
つのだ:いま、市としてできること、考えねばならないことは、児童相談所が乗り出さなければならない深刻な事態に発展する以前にいかに支援を講じて虐待を防止するかということだ。そのための最前線の役割を担えるのは母子保健の部門であり、そこで把握された支援の必要な家庭に対して機動的、効果的に支援を講じてゆくためには、地区担保健師だけではなく、場合によって保育士や臨床心理士など専門職のチームによる関わりも必要だ。こうしたことからも、保健、福祉が一体となった取り組みが求められており、その必要性はこれから益々高まってくるし、組織的に一体にできないという理由もよく分からない。
別組織でも連携を強化すればよいというが、一般論として自治体の規模が大きくなるほど密な連携というものは取りづらくなる。これまで本市の状況を眺めてきたなかでも連携ということは口で言うほど易しいことではない。
いま、早急な対応が求められている課題に対し、どうすればよいかを考えた際、組織の見直しも必要との思いで提案した。組織については現状でよいとするならば、著しく増加している児童虐待に対して具体的にどのような手立てを講じてゆくのか、在宅の子育てに対する支援についてはどうか、合わせて説明してもらいたい。
〜このまま進めば101億円の赤字!年末までに新計画(素案)を策定〜
事業開始から19年、東葉高速鉄道開通からも15年が経過する飯山満土地区画整理事業。事業の長期化と地価の下落などからこのままでは101億円の赤字となるとの試算が今年に入って示されました。6月議会でも今後の取り組みについて質しました。
市がまとめた「事業見直しの基本方針」では、区画整理事業の早期完成のため、事業化のめどが立っていない隣接する西部地区と切り離して、道路計画等を見直すほか、移転補償費削減のための換地の見直し、区画整理事業区域の縮小などを打ち出しています。
この基本方針に基づき、「新たなまちづくり計画」の素案を今年中に策定する方針で、この段階で街区や道路や公園の配置など具体的な見直し後の姿が明らかになる予定です。
区画整理事業は関係権利者の同意が得られるかがカギであることから、丁寧な対応が求められます。
★議会での議論★
つのだ:飯山満土地区画整理事業の見直しについて、今年度はどのような作業を行うのか。その際、関係権利者への丁寧な説明を心がけてほしいがどうか。計画見直し期間中の工事はどうするのか。
飯山満駅前を通って前原に抜ける建設中の都市計画道路(3•4•27号線)はどうなるのか。
答弁:今月(6月)末に事業見直しの基本方針を関係権利者に説明し、その後、新たなまちづくり計画を策定を進める。見直し作業の進捗に応じて説明会開催などきめ細かな対応をしてゆく。駅前広場、飯山満川改修など現在実施中の箇所は順次整備を進める。3•4•27号線は必要な幹線であり、見直すつもりはない。
■不採算、事業計画を大幅に見直しへ
船橋市はこのほど、様々な事情から進捗が遅れている飯山満土地区画整理事業の事業期間を3年間延長し、その間に設計内容や資金計画の見直しを行うことを明らかにしました。現在の事業期間は平成23年3月までとなっており、進捗状況から延長は避けられないことは明らかでしたが、今回の延長は、いまのままでは事業収支が成り立たないことから、計画の見直し作業を行うための暫定的なもので、事業完了までにはさらに長い年月を要することになります。
飯山満土地区画整理の事業費は109億円。このうちの約半分を地権者の土地を減らす(減歩)ことによって生み出される宅地(保留地)の売却によって賄うことにしていますが、バブル期に計画されたこの事業は、坪約200万円で宅地が売れるという前提に立っています。今の地価はバブル期の3分の1以下に下落していますから、資金計画に大きな穴があくのは必至で、その穴埋めは最終的に市民の負担となって跳ね返ってきます。
今回の期間延長は、あくまでもその間に少しでも赤字を圧縮するために計画を再構築しようとする暫定的なものです。
具体的にどのような見直しを行うのかということについて、今年3月の予算特別委員会での私の質問に対して、市は「関係権利者の合意を前提に、設計の見直しが必要。例えば造成の高さを抑えて工事費用を削減するとか、補償費は速やかな使用収益開始によって負担を減らすなどの支出の削減に努めていきたい」と答えています。場合によっては施行区域の縮小も視野に入ってくるかもしれません。
区画整理は関係権利者の合意のもとに実施される事業であり、計画変更にあたっても合意形成に時間を要することはやむを得ないとも思いますが、異常ともいえるほど長期にわたっているこの事業に対して、市はもっと本腰を入れて、全庁的な課題として体制強化を含め、事業の進捗に取組むべきです。