9月議会は(1)発達障害児の支援について(2)特別支援教育について(3)障害者の就労について(4)新型インフルエンザ対策ついてー質問しました。
「発達障害児の支援について」では、早期支援に結びつけるための5歳児健診について船橋市での導入可能性、当面の方策として巡回相談の充実、特に保護者へのアプローチという観点から質問と提案を行いました。
□悉皆の5歳児健診は困難
つのだ: 軽度な発達障害の気づきが就学後の場合、学校不適応や心身症など2次的な不適応の状態や障害に陥っていることが少なくないことから、予防のためにも早期の発見の重要性が指摘されている。そのためのひとつの方策として特にAD/HDやHFPPD(高機能広範性発達障害)の幼児では3歳児検診の後、保育園や幼稚園など集団生活に入ってから「集団行動がとれない」「自分勝手な行動が多い」など急激に様々な特徴が見えてくることから、この時期、5歳の時点での健診や相談の実施が必要だといわれている。国も発達障害児の早期支援のために5歳児健診が重要だといっている。
5歳児健診を本市で行おうとした場合、新たに確保しなければならない専門職などの人員、時間、費用はどの程度になるのか?具体的に検討されているようでしたら伺っておきたいと思います。
答弁:船橋市で5歳児健診を実施するとしたら5歳児の人口5511人で積算すると、年間220回実施することとなり、医師・保健師等の報償費は約1290万円必要となり、常勤の職員も保健師をはじめ6人の増員が必要になる。また、小児科医師の不足により1歳6ヶ月児健診や3歳児健診の内科診察については個別健診となっている現状から協力医師の確保が非常に難しく、母子保健として悉皆の5歳児健診を実施することは困難と考える。
◇5歳児健診が困難ならば、相談業務の充実が必要だが、その際、保護者へのアプローチは?
つのだ: 本人のために効果的な支援に結びつけるために大切なことは「保護者が発達障害に気づく」ということで、子どもの様子に「何か変」という思いを抱いている保護者が家庭での生活を含め子どものために、どのように接すればよいのかを考え実際に行動に移すように手助けする、その契機とするのがまさに5歳児検診の目的で、健診の結果は3歳児健診など他の健診と同様、保護者にもお知らせされる。5歳児健診の目的は2次的な不適応に陥る前に効果的な支援を提供するための前提となる「気づき」の前倒しにある。そしてそれは指導する現場の側のみならず保護者も含めて子どもの発達特性とそれに対する対処法について認識が備わった状態、即ち保護者も含めて子どもに真正面から向き合っている状態にできる限り早期に持っていく必要があるとの観点から提唱されているもの。この点について本市の巡回相談では療育や発達相談センター等への相談への方向付けのために、保護者に対してはどのようなアプローチをしているのか。
答弁:「障害の受容」への働きかけについては、専門的な療育支援ばかりでなく、日々の生活のなかで行われることが重要と考える。通っている園の保育士や幼稚園の教諭の役割も重要であり、こども発達相談センターでは、保育士等からのご相談にも応じながら、一緒に考えたり、アドバイスをしながら保護者のかたがお子さんとしっかり向き合えるような支援を行っていきたい。
つのだ:・保護者に対する姿勢について船橋の現状は、現場の方々は腰が引けている、療育支援課も腰が引けている。難しいのは分かる。ただ、難しいというばかりで問題を先送りし、学校に上がったらあとは教育委員会にお任せということでは困る。いつ保護者に話すのか、それはケースバイケースでマニュアル化することなどできないが、少なくとも保護者の状況から考えて就学前に話をすることは難しい、就学後にタイミングをみて話して欲しいといった連係は教育委員会との間でさらに密にしてもらいたい。それから障害告知後の具体的な専門的援助の提供のために療育センターを一日も早く作ることを求める。
つのだ ひでお(角田 秀穂)
略歴
1961年3月 東京都葛飾区生まれ。
創価大学法学部卒業。
上下水道の専門紙・水道産業新聞社編集部次長を経て、1999年から船橋市議会議員を4期、2014年から2017年まで衆議院議員を1期務める。2021年10月2期目当選。
社会保険労務士。