つのだひでお(角田 秀穂)|衆議院議員|公明党
つのだひでお(角田 秀穂)|衆議院議員|公明党

つのだ: 医療センターの改革プランを踏まえて伺いたい。プランにおいて健全経営に向けての取り組みとして、市直営病院としての位置づけを維持する方針を明確にし、病院スタッフに安心して経営改革に当たることができるようにするために、早期の全部適用が必要ということから今議会に全部適用のための条例改正が提案されている。全部適用後に職員に期待することとしてプランでは「公務員として引き続き、地域医療の中核を担う使命・役割を果たしていけるよう、病院事業管理者のもと、スタッフ全員が病院の経営状況を正確に理解し、経営改革の具体的目標、実現に至までのプロセス等について共通の理解を持ち、一人一人が経営意識をもって病院内の活性化、魅力ある病院作り等に取組むことを強く期待する」云々としているが、これまでも経営改革の取り組みは行われてきたと思う。病院スタッフの経営改革への意識という点で具体的に現状の課題をどのように捉え、全部適用後にどのように変革してゆこうと考えているのか伺いたい。

 

医療センター事務局長:医療センターの経営における現状の課題としては(1)経営責任が必ずしも明確でなかった(2)院内を含む意思決定が迅速に行われていなかった(3)職員のコスト意識が希薄であった—ことが挙げられる。全部適用に移行することにより。事業管理者が病院経営の責任者となり、責任と権限が今まで以上に明確になる。
これまでの病院内での意思決定は、院長を中心とした管理会議において決定し、これを受けて事務局が市の関係部局と協議を行い、最終的な意思決定を行うというプロセスが多くあった。これからは、病院事業に精通している事業管理者が最終的な意思決定を行うことになり、院内でのコンセンサスが得やすくなるなど、変化する医療環境や2年に1度の診療報酬改定に、迅速かつ効果的に対応できる。
また、職員が経営に参加する意識を醸成させるためには、職員の目的意識や情報の共有化が特に重要となる。まずは、的確な経営分析を行い、経営状況に関する情報を院内広報や研修会により情報発信を行い、全職員が病院の経営状況を知り得る体制を整備して行く。
さらに、職員が積極的に患者サービスの向上への取り組みや経営改善策など提案できる制度を導入するなど、職員全員が医療サービスの向上と経営改善に取組んでゆく環境を作って行きたい。

☆質問の終わりに☆
私自身は、医療センターの体質を改善することは並大抵の努力ではできない、と思っています。
船橋市立医療センターの経営改善のために当面は地方公営企業法全部適用を目指すべきというのが専門家の結論でした。では、全部適用によって医療センターの経営は本当に改善するのか?同規模の10病院程度の比較を試みましたが、うまくいっているところは皆無。唯一、経営状況の良い長崎市立市民病院も全部適用によって経営が改善したわけではなく、それ以前、全部適用前に院長のリーダーシップによって危機を脱していました。
かつてない自治体病院受難の時代にあって、求められるのは、一部適用から全部適用への形式的な制度の見直しではなく、これまでは「経営」を考えずともやってゆけた病院職員の意識を変革し、組織一丸となって改革に取組む気運を醸成できるリーダーを確保できるかどうか、それに加えて首長の理解、議会の理解が改革の正否のカギを握るというのが、とりあえずの結論です。
特に医療センターの場合は、これまで、どう転んでも赤字にならない、といっては語弊があるかもしれませんが、他の自治体病院に比べ手厚い一般会計からの繰入に守られてきたところがあります。
そこから、職員一丸となって改革に取組まねばならないとなった。改革の正否を握るのは、何よりも幹部職員が目標に向かって一丸となって取組めるか否かにかかっていると思います。
管理者には本当にご苦労様ですが、目標達成に向け病院職員全員が今まで以上に、よりよい医療センター作りに邁進する環境づくりに取組まれることを要望しました。

つのだ ひでお

つのだ ひでお(角田 秀穂)

  • 略歴

  • 1961年3月 東京都葛飾区生まれ。

  • 創価大学法学部卒業。

  • 上下水道の専門紙・水道産業新聞社編集部次長を経て、1999年から船橋市議会議員を4期、2014年から2017年まで衆議院議員を1期務める。2021年10月2期目当選。

  • 社会保険労務士。