昨日(3月8日)の本議会で質疑に立ちました。今議会では観光政策を考える上で「共生」をキーワードに障害者も共に参加する事業を提案したほか、維持管理時代を迎える下水道の接続促進、公明党が全国で一斉に実施した介護総点検を踏まえた質問を行いました。
観光政策については少し長くなりますが質問の全容をご報告します。
つのだ 本市における観光資源開発を考える際のキーワードとして「時代にマッチした観光資源開発」「持続性のある観光資源開発」のほかに「交流」「エコ」それから「共生」、さらには「行政の施策の相乗効果」ということを付け加えて「こんなものはどうでしょう」と考えてみた提案を行う。
近年「農」に対する関心の高まりは一時のブームでは決して終わらない、極めて持続性のある現象だと考える。船橋の観光資源開発の可能性をここから発想し、アンデルセン公園の近隣に「観光貸し農園」を整備することを考えてみる。
特に東京都区部の貸し農園は明らかに供給不足だ。観光貸し農園はこうした供給の著しく不足している都内在住者まで呼び込むことを視野に入れて考えてみ る。畑仕事をやってみたいけれどもやったことがない、初心者を対象としたサービスを用意する。農作業は初めてという利用者の指導には、経験豊富な市内農家 の高齢者に協力をお願いする。単に作業の指導に止まらず、交流促進に一役買っていただく。船橋であれば協力してくださる方の確保はそれほど難しいことでは ないはずだ。
さらに、この地域には農業センターもある。どのような協力ができるか考えて頂き観光農園の魅力アップに一肌脱いでもらう。
観光貸し農園の性格上、利用者のほとんどは船橋を複数回訪れる、いわゆるリピーターとなる。アンデルセン公園はじめ、市内観光施設の割引クーポン券はいうに及ばず、船橋で余暇を楽しんでもらう企画にも知恵を絞ることにする。
特にアンデルセン公園は観光貸し農園とタイアップすることによって来場者数の増が期待できる。例えば収穫祭等のイベント企画など公園側でも積極的に関わることで施策の相乗効果も高まるものと思われる。
比較的遠方から訪れる方、訪れる家族のなかには泊まりがけで利用したいという要望もあろう。こうした要望にも沿えるよう手始めに、キャンプ場、特に東京近郊では、これも供給が不足しているオートキャンプ場も併設すれば魅力度はさらにアップする。
泊まりがけの方はもちろんのこと、遠方からやってきて畑仕事をした後はお風呂につかって汗を流したくもなる。ここからは特に環境部に聞いておいていただきたいが、北部清掃工場の建て替えに合わせて計画している余熱利用施設。観光農園にリンクさせるかたちで、少しだけ施設の位置をずらして考えてみてはどうか。
入浴施設があり、人も集まる、その延長線上に船橋の特産品、ブランド品を扱う道の駅的な施設も初めて考えられるようになる。
ここから先は、特に下水道部に聞いていただき、考えて頂きたいが、下水道の急速な普及に伴って下水処理場から発生する汚泥の量も今後益々増大してゆく。 下水汚泥の再利用については、現在、セメント原料化、コンポスト化によってリサイクルが図られているが、自区内で発生したものを自区内で再利用することが 真のリサイクルだ。将来的なリスク分散の観点からも、船橋に観光貸し農園が開設された暁には、その成功のため、下水道部も積極的に協力してゆく。
比較的遠方に住む利用者を想定する観光農園では、日常の農園の手入れに手間がかかる。「初心者でもオーケー。最低でも種をまけば、その後の収穫まで日常 の手入れは農園側でやります。安心してください」と謳うことにする観光農園では、日々の水やりから草むしり、虫取りなど、大変に手間がかかる。収穫時期に 忙しくて来れないという利用者には、農園側で収穫して箱に詰めて宅配便でお届けするサービスも行う。当然、さらに手間がかかる。遠隔地に住んでいてなかな か畑に来れないとい方には自分の畑の状況をインターネットで見ることのできるサービスも考えてみてはどうか。技術的には難しいことではない。ただし、これ も手間がかかる。
こうした観光貸し農園の魅力アップのために、アイデアを出すことはいくらでも可能だが、それだけ手間が増える、仕事が増える。そうした手間をだれにお願いすべきか。
ここからは特に、教育委員会よく聞いていてほしい。最も重要なとこころ。
このエリアには市立の特別支援学校がある。同校の卒業生で希望する方には是非とも手伝ってもらう。船橋の観光政策の一翼を担っていただき、「共生」のモデル作りにも取組んでみよう。
特別支援学校高等部では農耕班、園芸班などの作業学習が行われているが、この経験が卒業後に役立っているかどうかということになると、現状、役に立って いない。在学中に培ったスキルを是非とも活かしてもらう。職場への送迎が必要な方には特別支援学校が保有するスクールバスの活用も考える。特別支援学校に 近接するこの地域ならば可能だ。
特別支援学校についてはこの際、教育委員会に注文させてもらうが、現在、実施している作業実習については早急に見直しを行ってほしい。そもそも小学部を なぜ旧高根台第1小学校に移転しなければならなかったのか。時代の変化に対応して子供たちの将来も見据えた実習についてもっと考えて、併せて指導する人材 の確保と育成ということについても真剣に考えてもらいたい。それができれば就業の可能性というものはもっともっと広がる。
観光貸し農園はその規模が大きいほど、各種の施策の連係を通じて観光政策としての効果も高まることが期待できる。必要な経費を利用料で賄うという前提に 立った場合、観光貸し農園の規模は需要によって決まる。そしてその需要は、船橋のロケーションを考えれば確実に見込めるものであり、積極的に検討すべきも のと考える。
答弁 観光貸し農園の開設には相当困難なハードルがある。今後、法律面のほか、事業に対する補助制度、地域の活性化対策としてどのような効果をもたらすのかなど研究していく。
つのだ ひでお(角田 秀穂)
略歴
1961年3月 東京都葛飾区生まれ。
創価大学法学部卒業。
上下水道の専門紙・水道産業新聞社編集部次長を経て、1999年から船橋市議会議員を4期、2014年から2017年まで衆議院議員を1期務める。2021年10月2期目当選。
社会保険労務士。