市議会(6月議会)は6月3日から23日までの会期で開かれました。
6月議会の一般質問では(1)医師不足や医療費抑制の影響で自治体病院の経営が急速に悪化しているなか、市立医療センターの経営について、市民の健康を守る拠点として将来にわたって公営を維持する必要があるとの立場から経営改善の方向について質すとともに、(2)全国的に見ても大きく整備が遅れている本市の下水道事業について実態を踏まえた業務効率化のための提案を行いました。
■病院事業について■
つのだ:公営企業法全部適用を目指すべきとされた本市だが、全国的にみて全部適用を採用しても経営状況が改善しない病院が多いということについて、どのように分析し、病院事業活性化という目標達成のためにはどのような取り組みが不可欠と考えているか。
答弁:全部適用を成功させるカギは病院のトップと各職種からなるスタッフが一丸となって、目標設定から実現へのプロセスまで、病院を変えていくのは自分たちであるという意識をもって取り組むこと、また、全員が経営意識を共有し、チームとして患者の満足度の高い医療の実現に努力できるかどうかにある。
また、市長をはじめ設置者側は、そうした病院の努力が可能となるような十分な裁量を認めるとともに、病院経営に無関心となることなく、積極的に支援する体制をとる必要があると考えている。
つのだ:平成18年の診療報酬改定で手厚い看護を提供する病院により多くの報酬を支払うということで患者7人に対して看護師1人の「7対1の入院基本料」が新たに創設された。地方の自治体病院での看護師不足の一因ともなったといわれてているが、医療センターの場合、現状は上から2番目の「10対1」の入院基本料が適用されている医療センターで「7対1」対応とした場合の収支の試算を示していただきたい。
答弁:病床稼働率90%とした場合、入院収益は年間3億2110万円の増加が見込まれる。一方、費用は看護職員一人当たりの平均年収600万円で計算すると2億9400万円となり2710万円のプラスとなるが、この計算はあくまでも試算の域を出ない。
■下水道事業について■
つのだ:下水道に接続する排水設備工事について工事内容に関する基準を定めているが、実際は全体の約7割を占める既存建物の工事はほぼ100%、既存の設備を使う確認書添付の工事、すなわち不具合が生じた場合は施主が責任を持つという前提で基準に合致していなくても検査済証が交付されている。7割が基準に適合しているか否かの検査をする必要のない工事が行われている本市の実態を考えた場合、検査業務に職員を割くのは非効率であり、業務委託など効率化を検討すべきではないか。
答弁:既存設備を活用する場合は、どのような状況にあるか施主に十分説明するよう指導している。既存設備を利用した接続工事でも完了検査は、範囲は少ないとはいえ法令に適合するものでなければならないことから、知識、経験を有する技術系再任用職員を登用し検査体制の充実を図っている。また、検査現場における指導を強化するほか、指定工事店や責任技術者を対象とした研修会を開催するなど良質な工事執行を図るためため改善を図ってゆきたい。委託化については今後、職員の配置や検査業務の状況をみて検討する。
つのだ ひでお(角田 秀穂)
略歴
1961年3月 東京都葛飾区生まれ。
創価大学法学部卒業。
上下水道の専門紙・水道産業新聞社編集部次長を経て、1999年から船橋市議会議員を4期、2014年から2017年まで衆議院議員を1期務める。2021年10月2期目当選。
社会保険労務士。