障害者の社会参加促進支援策のひとつとして、JRや民間の鉄道会社では手帳所持者や介護者に対する旅客運賃の割引を実施している。

しかし、この制度を実際に利用しようとする当事者は大きなバリアに突き当たることを痛感させられることになる。

例えばJRの場合、みどりの窓口で手帳を提示し発券してもらうのが基本で、それが面倒だという場合はこどもキップを買って改札で手帳を見せればOKということになっている。しかし、こどもキップを買わされる側の大人の障害者にとっては人間としての尊厳を踏みにじられた気にもなる。さらに大変なのは療育手帳を持つ子供たちだ。

「こどもキップ」のさらに半額だから券売機では買えず、みどりの窓口に並ばざるを得ない。近距離の場合、わずか数十円の割引のためにそこまでする意味はないと諦めて結局制度を利用しないケースが多くなる。従って鉄道会社の側でも制度の存在すら知らない職員が窓口に座るようになる、という悪循環が生れる。

「一体何のための制度なのか」といくことで船橋市内のボランティア団体が実態調査を行った。対応状況によって、『Aランク・・自販機に障害者用のボタンあり、自動的に半額になるので自力でキップが買える。』から『Dランク・・自販機でも窓口でも発券されない。入場時に訳を話し、退場時に精算する。2度も駅員に説明が必要。』まで4つのランクに分類した。

結果は、
Aランク・・新京成、都営地下鉄
Bランク・・JR、京王電鉄
Cランク・・東葉高速鉄道、東武鉄道、北総鉄道、小田急、京急、西武、東急
Dランク・・京成、営団地下鉄

調査結果をもとにボランティア団体の方々とともに京成電鉄本社を訪れて改善を要望要望した。以下はこのときの要望書の一節。

『確かに自販機ではなく、窓口の対応でも、係の方が親切に知識を持って対応して下さればいいのですが、親としては”駅についたら自販機でキップを買って電車に乗る”という、同行のみんなと一緒の、あたりまえの行動を子ども自身が習得して欲しいという願いがあります。その点では、自販機にこどもボタンがあるように、障害児・者のボタンがあるのがベストなのです。(中略)それは障害児・者がバリアフリーの「当たりまえの生活」を営んでいくための、ひとつの大切な入り口でもあります。

駅のバリアフリー化を考える際に、エレベーターを設置する等の大規模な設備も大切ではありますが、「キップを買う」というシステムの面でも見直しを進めていただけたら幸いです』

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