障害者自立支援法の全面施行を控えた8月14日、公明党は厚生労働大臣に対し、障害児のいる家庭と一般の子育て家庭との負担を公平にする観点から、通所・入所施設の利用に対する軽減措置の拡充などを求める緊急要望を行ないました。10月から障害児施設を含む全ての施設で原則利用料の1割負担と食費が課せられることに伴い、従来よりも保護者の負担が大幅に増えてしまうという不安の声を受け止めて緊急に申し入れたものですが、これに対して厚生労働省は同24日、地方自治体に対し通所施設に通う障害児(未就学)の負担を保育所の保育料並みとする新たな見解を提示しました。そこから全国の自治体では負担額の見直し作業に取りかかり、船橋でも検討の結果、保育料相当の負担額とすることを決めました。
緊急要望で「一般の子育て中の家庭の負担との公平性の観点から」として軽減を求めていたものが、具体的な形として「保育料相当」の負担額として示された、結果として当初より負担が軽減されたことは一定の評価をするものですが、ただ、一般の子育て世帯との公平という観点からはさらなる負担軽減措置が必要だとの思いで知的障害児通所施設「さざんか学園」の利用者負担について今議会で質問並びに提案を行ないました。
船橋では障害児通諸施設として、知的障害児通園施設「さざんか学園」、在宅肢体不自由児通園施設「簡易マザーズホーム(東・西)」、肢体不自由・知的障害児に指導を行なう「親子教室(3カ所)」を運営しているほか、市外の通所、入所施設を利用している障害児についても利用費助成を行っている。このほかに10月1日からは「第2さざんか学園」(法人立)が市内にオープンすることになっています。
このうち「さざんか学園」の利用者負担(第2さざんかも基本的に同じ)を巡っては、例えば市民税額14万1円以上28万円以下の世帯の場合、これまでの制度のもとでは月額7,300円であった利用者負担が「保育所の保育料並みとする」という考えに立った新たな利用料設定においても月額で25,691円と3倍以上の負担になってしまいます。「市の保育料と合わせました(ちなみに同じ収入階層の保育料は26,500円)。ほかの家庭の子育ての負担と同じレベルです」といわれても、保護者としては納得できません。そもそも保育所とは目的も内容も異なります。さらに、子育て世帯の負担の公平という観点からも、さざんか学園の利用料設定には大きな問題があります。以下はこの点を取り上げた今議会での質問要旨です。
『知的障害児通園施設「さざんか学園」の10月からの利用料について、4歳児以上の保育料に合わせるとのことだが、当然のことながら「さざんか学園」は保育所とは目的や内容が全くことなる。そのうえ、経済的負担という面でも一般子育て世帯との比較で考えた際、例えば保育所に子どもを2人以上預ける場合、子育ての経済的負担軽減のため、保育料は第2子は標準保育料の半額、第3子は標準保育料の10分の1となる。また、幼稚園に2人以上通わせる場合においても、同様の考え方から、就園児奨励補助金が第2子以降は増額して交付される。例えば市民税所得割額が18,601円以上135,000円以下の世帯の場合、第1子については56,900円の補助金額だが、これが第2子については126,000円、第3子以降については238,000円 となる。さざんか学園に通所している児童の兄弟が保育所に通っているという場合に保育料減額の規定が適用されるのか、また、兄弟が幼稚園に在園しているという場合、就園児奨励補助金の割り増し基準が適用されるのか、こうしたことが配慮されない、できないのであれば、結局障害児を育てる家庭の子育ての経済的負担という面でも極めて不公平だといわざるを得ない。
具体的にどうすればよいかを考えた場合、例えば、兄弟が保育所や幼稚園に通っている場合、兄弟全員が保育所に通っているものと見なして、あるいは全員が幼稚園に通っているものと見なして経済的負担に不公平が生じないよう利用料を設定するという方法も考えられなくはないが、事務作業が非常に煩雑になるうえ、保護者にも余計な手間を取らせることになり、現実的とはいえない。
そこで現実的な負担軽減方策を提案するものだが、まず1点目として、さざんか学園の利用料については、一律に保育所に2人以上預けた場合の2人目に適用される保育料、すなわち標準保育料の半額程度とすること。そのうえで、2点目として現実に3人以上の子どもをさざんか学園と保育所、幼稚園に通わせている世帯に対しては、それぞれの所管と連携を取って、障害児を育てるがゆえに過度の負担を強いられることのないよう負担軽減策を講ずること。以上のことを検討し、速やかに実施することを強く求める。』
保育所であれ幼稚園であれ第1子の負担を10とするならば、第2子は半分の5、第3子以降は1割の1、10:5:1の割合で子育ての負担軽減を図る。これは公明党が野党時代から強く主張し、推進してきた経緯があります。
子どもが障害を持つが故に不公平な負担を強いられるようなことがあれば、市町村レベルにおいてもまず我々がその是正に取り組む責任があります。
障害者自立支援法は、すべての障害者が必要なサービスを公平に利用して地域で生活できる基盤整備をめざすものであり、この理念自体には異論は少ないと思います。ただ、過重な負担を強いられ、その結果、サービスが利用できないという事態が生じては本末転倒です。こうしたことが起こらないよう法施行後も本来の目的に適った運用がなされているか、今後もしっかり検証してゆきます。

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