小学校における発達障害児支援充実のための提案。

つのだ:限られた施設、人を含めた資源のなかで、特別支援教育の理念を船橋市において少しでも前進させる方途として、夏休みを利用した集中的な指導という取り組みを実施の前提でぜひとも検討していただきたい。

私がこのような提案するのは、福岡県久留米市が5年前から試みているSTP(サマー・トリートメント・プログラム)を視察したことがきっかけになっている。久留米市のSTPはもともと久留米大学医学部の山下准教授がAD/HDを持つ子どもと家族への支援プログラムとしてアメリカの大学で開発された治療法のうち夏休みを利用したプログラムを日本でも実践しようと久留米市の小学校を会場に実施したところ、目に見える効果を上げたことからその後も毎年実施されているもの。

私たちが視察に伺った昨年夏のSTPでは、市内市外から参加した23名の児童が午前中の教室での学習を終え、体育館でのキックベースを行っているところだった。2週間のプログラム、久留米市ではサマースクールと呼んでいるが、サマースクールもあと2日で終わるという時期の訪問だったが、一体どの子がAD/HDなのだろうかと思うほど落ち着いた雰囲気の中で、全員がスポーツに集中している光景が印象に残っている。

STP自体は精密に組み立てられたプログラムで、精通した医師をはじめ専門家の関与がなければ実施は難しい。それに加えて多くのスタッフが必要とされる。久留米市のSTPの場合でも参加児童23名に対して関わっている大人の数は医師、看護師をはじめ、臨床心理士6名、3ヶ月前から研修を受けてきた学生ボランティア16名、教員18名が関わっていた。

ただ、実際に私自身STPの現場を訪れて感じたことは、本家のアメリカでは6週間のプログラムであるの対して、久留米市では2週間のプログラムで目に見える効果を上げている。船橋市においてもこれまでの発達障害児に対する指導について経験を積み重ねているなかで、週1回の通級指導にプラスする形で集中的な指導を行うことでより効果的な支援が行えるのではないか、少なくとも専門家による指導が週1回であることが最も有効であるということはないはずだ。そのために夏の休暇期間を有効に使うことも検討に値するのではないか。教育委員会のみならず福祉も協力することでよりよい支援策を編み出すことができるのではないか、ということ。

夏休みを利用した支援を行うとした場合、考えられるメリットとしては、まず、必要となる人員、ボランティアを含めかなりの人数が必要になるが、対象となる学生(教育・心理専攻)や市内小中学校の教員といった人員の確保は夏休み期間中だからこそできる。

また、集中的な指導による短期間での問題行動の改善はもとより、多くの教員が関わることによって障害に対する理解が進み、学級における指導法について多くを学ぶことができる。

保護者も参加することで家庭での子どもに対する接し方を学ぶことができる(本家アメリカのプログラムではペアレントトレーニングもセットだが、久留米市はそこまでは手は回っていない。船橋では福祉サービス部での実績を踏まえ学齢期までペアレントトレーニングを拡充できればベスト)。

さらに私自身現場を見て最大の効果と感じた点だが、子どもたちが集団の中で、中心的な役割を担うことで普段は問題児扱いされてばかりで得ることのできなかった自己の有能感を強化することができるなど、様々なメリットが認められたが、こうしたメリットはSTPに限らず夏休みを利用した集中指導のなかでも発揮できると考える。ぜひとも前向きに検討頂きたいと思うが、いかがか。

学校教育部長:「夏休みを利用した集中的な指導を」とういうことだが、現在、発達障害通級指導教室の夏休みの活動としては、対象児童を登校させ、「調理」や「ゲーム」等を通して、人との関わり方、人間関係をつくる力、社会生活を送る上でのルールを身につけるなどの指導をしている。

また、在籍校の担任との連絡会を開き、指導内容に関することや、在籍校での様子等の意見交換や情報交換を行っている。

提案の取組みについては、今後ペアレントトレーニングを教員の研修に取り入れ専門性を高めることや。特別支援学校コーディネータや通級指導教室担当者が中心となり、夏休みに保護者や児童への支援を行う等、本市で取組めることについて研究してまいりたい。

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