「高齢者虐待の防止・高齢者の養護者に対する支援等に関する法律」(高齢者虐待防止・養護者支援法)が施行されて1年半余り。この法施行により、虐待が疑われる場合の市町村への通報が義務づけられたことから、これまで把握されていなかった高齢者虐待が身近なところで数多く起こっている実態が明らかになりつつあります。
この間、船橋市内で虐待と認定された件数は18年度が72件、今年度は10月末現在33件、合計105件に上ります。このなかには直ちに生命に危険が及ぶと認められた事例も含まれます。

そもそも何故、虐待が起こるのでしょうか。

「皆さん、自分は虐待などするような人間ではないと考えているでしょう。でも、頑張っても頑張っても報われない努力を強いられるようになったとき、人は誰でも虐待に走る可能性があるのです」認知症の家族を抱える方の訴えがいまも耳にのこっています。

船橋市の事例でも、「親子、夫婦の力関係が逆転したことで、虐待者が過去からの鬱積していた感情を抑制できなくなった」「介護疲労と孤独感が虐待の一因となっている」「心理的要因が増加しており、介護者への抑圧された気持への支援が必要」 など、精神的に追いつめられて虐待に走るケースが多く見られます。

高齢者虐待は、少なくとも虐待者を悪者に仕立てて取り締まれば解決するといた簡単な問題ではなく、事態が深刻になる前に早期に発見・支援する体制の充実が急務です。

12月議会の一般質問では船橋市における虐待の具体的な内容、養護者が虐待に走る背景にはどのようなものがあるのか、緊急に養護者と被虐待者を分離する必要がある場合の対応など支援の現状について質すとともに、法律に規定されていない65歳未満への虐待防止、支援のための体制づくりを急ぐよう求めました。
高齢者虐待防止法は保護の対象となる高齢者を65歳以上としているため、65歳未満の被虐待者に対する保護をどのように行なってゆくかが大きな課題として残っています。

このため、DV防止法など既存の枠組みなどを活用して必要に応じて虐待防止、支援を早期に講じることができる仕組みづくりを、関係部署と連携して構築することを求めました。

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